
相続した実家が旗竿地で、なかなか買い手がつかない。



道路まで細い通路が続く土地は、そもそも売れるのだろうか。
そんな不安を抱えていませんか。



結論からお伝えすると、旗竿地でも売却はできます。ただし、整形地と同じ売り方をすると時間がかかりやすいのも事実です。
この記事では、旗竿地が売れにくいと言われる理由を公的データとともに整理し、具体的な売却のコツを宅地建物取引士の視点でやさしく解説します。
読み終えるころには、あなたの旗竿地を手放すための最初の一歩が見えてくるはずです。
旗竿地の売却で最初に知っておきたい3つの結論


結論からお伝えすると、旗竿地は「売れない土地」ではなく「売り方に工夫がいる土地」です。
まずは大事なポイントを3つに絞ってお伝えします。
- 相続で持て余している
- 空き家の管理がつらい
- 早く現金に換えたい
こうした悩み別に、進むべき方向がはっきりします。
そもそも旗竿地とは、道路から細長い通路(竿の部分)が伸び、その奥にまとまった敷地(旗の部分)が広がっている、竿に旗をつけたような形の土地のことです。


都市部の住宅地ではよく見られる形で、決して珍しいものではありません。
そして旗竿地の売却とは、この特殊な形の土地や建物を第三者に売り、現金に換える手続きのことを指します。
整形地(きれいな四角形の土地)に比べて買い手が慎重になりやすいぶん、売り方の選択が結果を大きく左右します。



筆者は宅地建物取引士として不動産の売買実務に携わり、相続診断士としても相続がらみの土地のご相談を数多くお受けしてきました。
その現場感覚も交えながら、まずは全体像をつかんでいきましょう。
悩み別に見る、旗竿地の売却で取るべき方向性
旗竿地の売却は、あなたが今どんな状況にいるかで最適な進め方が変わります。
ざっくり整理すると、方向性は3つです。
- 相続で取得したが住む予定がないケース
この場合は、名義を自分に変える相続登記を先に済ませ、そのうえで査定を受けるのが基本の流れになります。 - 空き家のまま管理が負担になっているケース
草刈りや近隣対応、固定資産税の負担が続くなら、放置期間が延びるほど建物が傷み、価値が下がっていきます。早めに売り方を決めるほど手元に残る金額が増えやすいのです。 - 相続税の納税期限が迫っていて、とにかく早く現金化したいケース
この場合は、買い手を探す時間のかからない売却方法を選ぶことが、期限を守るうえでの近道になります。
「売れにくい」と言われる正体は5つに集約される
旗竿地が敬遠されやすい理由は、突き詰めると5つに集約できます。
この5つを知っておくだけで、対策の見通しが立ちます。
具体的には、以下の5つです。
- 建て替えができない「再建築不可」になっているケースがあること
- 周囲を建物に囲まれ日当たりや風通しが悪くなりやすいこと
- 通路が狭く重機が入りづらいため解体やリフォームの工事費が高くなりがちなこと
- 通路部分に私道が含まれ権利関係が複雑になりやすいこと
- 銀行の担保評価が低く、買い手が住宅ローンを組みにくいこと



逆に言えば、この5つに対して打つ手を用意できれば、旗竿地の売却はぐっとスムーズになります。
それぞれの具体策は、このあとの章でくわしくお伝えします。
早めに動くほど選択肢が広がる理由
旗竿地は、時間を味方につけると売りやすくなる土地です。
あわてる必要はありませんが、先延ばしにするほど選択肢は静かに狭まっていきます。
たとえば建物が空き家のまま古くなると、買い手からの印象が下がるだけでなく、後述する「相続空き家の特例」など税金の優遇が使える期限を逃してしまうこともあります。



実際に売却のご相談を受けていても、「もっと早く動いていれば、もう少し高く売れたのに」という声は少なくありません。
早めに情報を集めておけば、仲介でじっくり売る道も、買取ですぐ手放す道も、両方を落ち着いて比べられます。
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まずは「知ること」から始めてみよう!


公的データが示す「旗竿地こそ早めに動きたい」現状


結論からお伝えすると、空き家は過去最多、地価は上昇という2つの流れが同時に起きており、これは旗竿地の売りどきが「今」に寄っていることを意味します。
なぜそう言えるのか、国が公表している数字を3つ見ていきましょう。
空き家900万戸時代、旗竿地の「待ち」が不利になるわけ
まず知っておきたいのが、日本の空き家がかつてない数に達しているという事実です。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」(2024年公表)によると、全国の空き家数は900万戸で過去最多、総住宅数に占める空き家率は13.8%と過去最高になりました。
空き家数は30年間で約2倍に増えています。


この数字を、あなたの暮らしに置き換えてみます。
ご近所を歩いていて「あの家、最近人の気配がないな」と感じる家を思い浮かべてください。
統計のうえでは、全国の家のおよそ7軒に1軒が空き家という計算です。



これは、売る側にとって「同じような物件が世の中にあふれている」ことを意味します。
つまり、買い手はより選べる立場にあるということです。
整形地に比べてハンデがある旗竿地を、周りと同じようにただ「待ち」の姿勢で売り出すと、埋もれてしまいやすいのです。
さらに気になる数字があります。
同じ調査によると、賃貸用や別荘などを除いた「使用目的のない空き家」は385万戸にのぼり、5年前と比べて37万戸も増えました。
総住宅数に占める割合は5.9%です。これは、活用のあてもなくただ持て余されている家が、じわじわと増え続けていることを示しています。



あなたの旗竿地がこの385万戸の仲間入りをしてしまう前に、動き出す意味は大きいと言えます。「まだ大丈夫」と思っているうちに、周りの空き家はどんどん増え、買い手の選択肢はますます広がっていきます。
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だからこそ、旗竿地は早めに売り方を決めて動き出すことが、結果的に有利に働くんだね。
地価は4年連続で上昇、売却額に追い風が吹いている
次に注目したいのが、土地の価格が上がり続けているという明るい材料です。
国土交通省の「令和7年地価公示」(2025年3月公表)によると、全国の全用途平均は前年から2.7%上昇し、これはバブル崩壊後で最も大きい伸び率でした。
住宅地に限っても全国平均で2.1%、東京圏では4.2%の上昇となり、4年連続のプラスです。


これも身近な話に直すと、こういうことです。ご自宅の近くで最近売りに出された土地のチラシを思い浮かべてください。



あの価格、数年前と比べてじわじわ上がっているのを感じませんか。土地の値段が上向きの今は、旗竿地であっても売却額に追い風が吹いているタイミングだと言えます。
なぜこれが旗竿地にとって大事なのでしょうか。
旗竿地の価格は、周辺の整形地の相場をもとに、形の悪さに応じて割り引いて計算されるのが一般的です。
つまり、周辺の地価が上がれば、その割引後の価格も一緒に底上げされるということです。
土地の評価の目安になる路線価(道路に面した土地の1平方メートルあたりの評価額)も、地価の動きにつれて見直されていきます。地価が上向きの局面は、旗竿地にとっても値段の付きやすい時期なのです。
さらに、これは都市部だけの話ではありません。
国土交通省の「令和7年都道府県地価調査」(2025年9月公表)では、地方四市を除く地方圏の住宅地が29年ぶりに下落を脱し、横ばいまで持ち直しました。





「うちは田舎だから、旗竿地なんてもう値段が付かない」と決めつけている方こそ、まずは今の価値を確かめてみてください。思っていたより値が付くケースは、実際の相談現場でもよくあります。
空き家の6割弱は相続から、旗竿地×相続の落とし穴
3つ目のデータは、旗竿地を持て余す方にとって、まさに自分事です。
国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」(2025年公表)によると、空き家を手にしたきっかけで最も多いのは相続で、全体のおよそ58%を占めていました。


相続で受け継いだ家は建った時期が古いものが多く、傷んでいるケースが目立つ傾向もわかっています。
つまり、相続した旗竿地が空き家のまま古くなっていく——これは決してあなただけの悩みではなく、全国で起きている典型的なパターンなのです。
ここに落とし穴があります。
2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続した人は取得を知った日から3年以内に名義変更の登記をしなければならなくなりました。正当な理由なく放置すると過料(罰金のようなもの)の対象になり得ます。


さらに、2023年12月に施行された改正空家等対策の推進に関する特別措置法によって、管理が行き届かない「管理不全空家」に指定されると、固定資産税を安くする住宅用地特例が外れてしまう可能性が出てきました。
特例が外れると、土地の固定資産税が最大で数倍にはね上がることもあります。



相続した旗竿地を「とりあえずそのまま」にしておくと、登記の義務と税金の負担、二重のリスクを抱えることになるのです。制度が変わった今だからこそ、早めに手を打つ意味があります。
相続した旗竿地は「古さ」との時間との戦いでもある
相続した旗竿地は、放っておくと建物の傷みが進み、売りにくくなっていきます。
だからこそ、時間との戦いという視点が欠かせません。
国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」では、相続によって空き家になった住宅の7割超が、昭和55年(1980年)以前に建てられた、いわゆる旧耐震基準の古い家であることがわかっています。
相続で受け継いだ古い家は、傷みが進んでいることも多いのが実情です。
これを暮らしの感覚に置き換えると、こういうことです。
人が住まなくなった家は、換気がされず湿気がこもり、あっという間に傷みが進みます。
相続してから「そのうち考えよう」と数年おいているあいだに、雨漏りやシロアリで建物の価値がぐっと下がってしまう。
これは決して珍しい話ではありません。
買い手は、傷んだ家ほど「修繕にいくらかかるのだろう」と身構えます。ここで役立つのが、建物状況調査(インスペクション)という制度です。
専門家が建物の傷み具合を調べて示す仕組みで、これがあると買い手は安心して手を挙げやすくなります。
とはいえ、旗竿地の古家に費用をかけて調査や修繕をすべきかは、売り方によって答えが変わります。



現状のまま買い取ってもらえる方法もあるため、まずは「今のこの家に、どんな売り方が合うのか」をプロに確かめることが、時間との戦いを制する第一歩になります。


※調査できない箇所がある場合は省略することができます。


旗竿地をスムーズに売るためのアクションと売り方の選び方


結論として、旗竿地の売却は「今の価値を知る→売り方を選ぶ→書類をそろえる」という3ステップで進めれば、迷わず前に進めます。
ここからは、明日からできる具体的な行動に落とし込んでいきます。営業がしつこそう、何度も出向くのは大変、といった不安にも触れながら解説します。
まずは3つの書類で「自分の旗竿地」を知る(査定の前準備)
最初の一歩は、査定を受ける前に自分の土地の基本情報を手元にそろえることです。
これがあると、査定額の根拠が理解しやすくなり、営業トークに流されにくくなります。
まず用意したいのが、土地の登記事項証明書(登記簿謄本)です。これは法務局のオンラインサービスからパソコンやスマホで請求でき、手数料は郵送で受け取る場合520円です(2025年4月に改定された金額)。所要時間は入力自体なら10分程度です。
届いた書類で、土地の面積や所有者、抵当権(住宅ローンの担保)の有無がひと目でわかります。
次に、土地の形を示す「公図」と、面積の根拠になる「地積測量図」があると理想的です。
これらも法務局で取得できます。
旗竿地は間口(道路に接している通路の幅)が売却価格を左右するため、通路の幅が2メートル以上あるかどうかは特に大切なチェックポイントです。
用意するものは登記事項証明書と身分証、費用は数百円から千円程度。



この準備をしておくだけで、複数の不動産会社に査定を頼んだときに、各社の説明を落ち着いて比べられます。
ここで「路線価」という言葉も覚えておくと便利です。
国税庁が毎年公表しています。おおよその価値を自分で当たりをつけるのに役立ちます。
査定は、多くの会社が無料で受け付けています。



「査定を頼んだら、しつこく営業されるのでは」と不安に感じる方もいますが、最近は電話やメールでの連絡頻度を事前に希望できる会社も増えています。まずは1〜2社に絞って相談し、対応が丁寧かどうか、旗竿地の扱いに慣れているかどうかを見極めるのがおすすめです。
査定額の根拠を、あなたが用意した書類をもとにきちんと説明してくれる会社は、信頼できる目安になります。
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逆に、根拠なく高い金額だけを提示してくる会社には注意しよう。
仲介と買取、旗竿地に向いているのはどっち?
売り方には大きく「仲介」と「買取」の2つがあり、旗竿地では特にこの選択が結果を分けます。
急ぎたい方や古家付きの方には買取が向いていることが多い、というのが実務での実感です。
- 仲介とは
不動産会社に買い手を探してもらう方法です。
市場で買い手を募るため高く売れる可能性がある一方、いつ売れるかは買い手次第で、旗竿地の場合は数か月から年単位でかかることもあります。
不動産会社に仲介を頼むときの契約(媒介契約)には、複数の会社に同時にお願いできるタイプと、1社だけにお願いするタイプがあり、こまめに連絡を取りたいなら1社に絞る専任型が向いています。 - 買取とは
不動産会社が自ら買い主となって直接買い取る方法です。
買い手を探す必要がないため、相談から最短2週間ほどで現金化まで進められるのが最大の強みです。相続税の申告期限は相続開始から10か月ですから、期限が迫るケースでは買取が心強い選択肢になります。
買取専門の会社であれば、仲介手数料がかからず、売った後に建物の欠陥が見つかっても売主が責任を負う「契約不適合責任」を免除してもらえることも多く、古い家や残置物(家財道具などの置きっぱなしの荷物)がある状態でも現状のまま買い取ってもらえます。



「古い旗竿地だから売れないのでは」「片付けが大変」という不安を、まるごと引き受けてくれるわけです。
高く売りたいなら仲介、確実さと早さを重視するなら買取。
この軸で選べば、旗竿地でも判断に迷いません。
再建築不可・私道・日当たり、旗竿地特有の不安をつぶす一手
旗竿地ならではのハードルには、それぞれ具体的な対処法があります。ここを押さえると、売却の成功率が大きく変わります。
まず「再建築不可」の不安。
建築基準法では、幅4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければ建物を建て替えられないという接道義務があります。


旗竿地は通路が狭くこの条件を満たせないことがあり、これが再建築不可の主な原因です。
対策としては、隣地の一部を買い取ったり借りたりして間口を2メートル以上に広げる、道路の中心線から一定距離まで敷地を後退させる「セットバック」を行う、といった方法があります。
まずは市区町村の窓口や不動産会社に、再建築が可能かどうかを確認するところから始めましょう。
次に私道の問題です。
通路部分が他人と共有する私道になっている場合、通行や掘削(水道管工事など)に所有者の承諾が必要になることがあります。
売却前に私道所有者と話をつけておくと、買い手が安心して手を挙げやすくなります。
日当たりや風通しの悪さは、リフォームや建築プランの提案でカバーできることもあります。
そして大切な注意点として、建物は安易に解体しないこと。
更地にすると固定資産税の住宅用地特例が外れて税金が上がるうえ、再建築不可の土地では建物を壊すと二度と建てられなくなるからです。



解体の判断は、必ず売却方針を決めてからにしてください。
相続した旗竿地は「登記」から、名義と書類の整え方
相続で受け継いだ旗竿地を売るなら、まず名義を自分に変える相続登記が出発点になります。
名義が亡くなった方のままでは売却できないため、ここは避けて通れません。
相続登記には、以下の書類などが必要です。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍
- 相続人全員の戸籍
- 遺産分割協議書
- 固定資産評価証明書
書類集めが大変に感じられるかもしれませんが、司法書士に依頼すればまとめて代行してもらえます。
所要時間は書類がそろってから1〜2か月ほどが目安です。



「手続きのために何度も出向くのは体力的につらい」という方もご安心ください。最近は、担当者が自宅まで訪問して物件の状態を見ながら説明してくれたり、契約までの手続きをオンライン中心で進められたりする不動産会社も増えています。
家族に同席してもらいながら、その場で契約を迫られることなく「まず話を聞くだけ」から始められる会社を選べば、負担はぐっと軽くなります。
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相続登記と売却の相談は、並行して進めてもOK!


旗竿地の売却、実際どうだった?3つのケースから学ぶ
結論として、旗竿地の売却は「早めの相談」と「売り方の選択」で結果が大きく変わります。
ここでは、実際によくあるパターンをもとにした3つのケースを通じて、あなたに近い状況を見つけていただければと思います。
相続した実家、買取で2週間、納税期限に間に合った70代女性のケース
- 関東近郊に暮らす70代の佐藤さん(仮名)
- 地方の実家を相続
- 夫はすでに亡くなり、子どもたちは遠方で暮らす
- 実家は道路から6メートルほどの通路が続く旗竿地に建つ、築35年の一戸建て
相続の手続きを進めるなかで、税理士から思わぬ話を聞きます。「相続税の申告と納税は、相続開始から10か月以内ですよ」。
手元にまとまった現金はなく、佐藤さんは青ざめました。



あと半年しかないのに、この奥まった家、そんなに早く売れるのかしら……。
最初に相談した仲介会社では、こう言われました。
「旗竿地で少し奥まっていますから、買い手が見つかるまで半年から1年はみておいてください。」
佐藤さんは焦りました。



1年も待っていたら、納税に間に合わない。でも、値段を下げてまで急いで売るのも悔しい。
夜、遠方の長女に電話でこぼします。
「お母さん、どうしたらいいか分からなくなってきたわ」長女は言いました。
「買取っていう方法もあるって聞いたことがあるよ。一度、別の会社にも聞いてみたら?」
佐藤さんはまず、法務局のオンラインサービスで登記事項証明書を取り寄せ、土地の面積を確認しました。
次に、買取も扱う不動産会社に相談。
担当者が実家まで訪問し、家財道具が残ったままの状態を見たうえで「このままの状態で買い取れます。仲介手数料もかかりませんし、片付けもこちらで対応します」と説明してくれました。
そして最短2週間で現金化できると聞き、佐藤さんは買取を選びます。
引き渡しは相談から3週間ほどで完了し、納税期限にも余裕を持って間に合いました。
残っていた家具や食器も、片付けの手配をすべて任せられたため、佐藤さんが遠方の実家へ何度も足を運ぶ必要はありませんでした。



体力的にも、あの家に通うのはもう限界だと思っていたんです。全部お願いできて、本当に助かりました。
佐藤さんは胸をなでおろします。
後日、長女にも報告しました。「あなたが買取のことを教えてくれたおかげよ。ありがとう」
佐藤さんは、しみじみと振り返ります。



旗竿地だから売れないと思い込んでいたけれど、売り方を変えるだけでこんなに違うのね。
それに、しつこく契約を迫られるんじゃないかと身構えていたけれど、そんなこともなかった。もっと早く、いろいろな会社に話を聞いてみればよかったわ。
急ぎの事情がある旗竿地では、買取という選択肢を早めに知っておくことが、大きな安心につながるのです。



相続税の期限という時間の制約があるときこそ、確実に、そして手間なく進められる方法を選ぶことが、心の余裕を生みます。
諦めかけた再建築不可の旗竿地が、隣地への売却で動いた50代のケース
- 都市部に住む50代の会社員・鈴木さん(仮名)
- 亡くなった叔父から旗竿地を引き継ぐ
- 通路の幅が1.8メートルしかなく、接道義務を満たさない再建築不可の土地でした。
相続登記を済ませたあと、複数の不動産会社に査定を頼みましたが、返ってくるのは厳しい言葉ばかり。「再建築できない土地は、なかなか買い手が付きません」
鈴木さんは肩を落としました。



叔父さんの土地、このまま持ち続けるしかないのか……固定資産税だけ払い続けるのか。
半ば諦めていた鈴木さんですが、ある会社の担当者から意外な提案を受けます。
「お隣の土地の所有者さんに、この土地を買い取ってもらえないか打診してみましょう」。
鈴木さんは半信半疑でした。



隣の人が、こんな奥まった土地を買ってくれるものだろうか。
担当者は続けます。
「隣地の方にとっては、この土地を足すことで自分の敷地が広くなり、価値が上がることがあるんです。旗竿地は、隣の人にとって一番の買い手になりやすいんですよ」
担当者を通じて隣地の所有者に打診したところ、「駐車スペースを広げたいと思っていた」という前向きな返事がありました。
境界を確認し、条件をすり合わせ、話は少しずつ前に進みます。
鈴木さんは、士業(司法書士など)とも連携する会社に手続きを任せ、権利関係を整理してもらいました。
最終的に、鈴木さんの旗竿地は隣地の所有者へ売却が成立しました。
契約にあたっては、境界の確認や書類の準備を会社側がまとめて進めてくれたため、鈴木さんが平日に何度も仕事を休む必要はありませんでした。
手続きの多くはオンラインでのやり取りで済み、忙しい会社員の鈴木さんにとっては大きな助けになりました。
売却が決まった夜、鈴木さんは亡くなった叔父を思い出したと言います。



叔父さんの土地を、固定資産税だけ払いながら塩漬けにしてしまうのが、いちばん申し訳なかったんです。もう売れないと決めつけていた土地に、こんな出口があったなんて。正直、驚きました。
鈴木さんは、最後に大切な気づきを口にしました。



一社に断られたくらいで諦めなくてよかった。再建築不可と言われても、旗竿地に慣れた会社なら別の売り方を知っている。相談する相手を選ぶことが、こんなに結果を左右するとは思いませんでした。
再建築不可の旗竿地でも、隣地の所有者という視点を持ち、経験のある会社に相談すれば、道が開けることがあるのです。


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旗竿地の売却でよくある質問(Q&A)
記事本文で拾いきれなかった素朴な疑問に、ここでまとめてお答えします。旗竿地の売却を考える方から、相談の現場でとくに多く寄せられる5つの質問を選びました。
情報収集の段階から、比較検討、そして実際に動き出す段階まで、あなたの疑問に近いものから読んでいただければと思います。それぞれの答えは、旗竿地という土地の特性をふまえてお伝えします。


まとめ:旗竿地の売却は「知って、早めに動く」が正解


ここまでお読みいただき、旗竿地の売却への不安が少し軽くなっていればうれしく思います。
最後に、大切なポイントを3つに絞って振り返ります。
- 旗竿地は「売れない土地」ではなく「売り方に工夫がいる土地」
再建築不可・私道・日当たりといったハードルには、それぞれ対処法があります。 - 空き家は過去最多で地価は上昇という今の流れが、旗竿地を売り出すうえで追い風になっている
相続登記の義務化など制度も変わった今こそ、動きどきです。 - 急ぎや古家付きなら買取、高値を狙うなら仲介と、状況に合った売り方を選べば旗竿地でも前に進める
まず今日、5分でできることを1つだけ挙げます。
それは、法務局のオンラインサービスで、あなたの土地の登記事項証明書を確認してみること。
土地の面積や名義、住宅ローンの担保が残っていないかがひと目でわかり、売却の第一歩になります。



そのうえで、旗竿地の売却実績がある不動産会社に、まずは話を聞いてみてください。相続がからむなら司法書士や税理士、資金計画に不安があればファイナンシャルプランナーといった専門家に相談するのも心強い方法です。
自宅への訪問や、家族同席での相談に応じてくれる会社を選べば、体力的な負担も少なく、安心して一歩を踏み出せます。あなたの旗竿地が、納得のいく形で次の持ち主へと渡っていくことを願っています。

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