
家を売ったら、税金はいくらかかるんだろう?
相続した実家や住まなくなった自宅の売却を考えるとき、多くの方がまず気になるのが税金の問題です。



結論から言えば、不動産売却で利益が出なければ税金はかかりませんし、利益が出ても「3,000万円特別控除」をはじめとする制度を使えば、税金がゼロになるケースは少なくありません。
2024年4月に相続登記が義務化され、2025年の地価公示では全国平均が4年連続で上昇するなど、不動産を取り巻く状況は刻々と変わっています。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーの実務経験をもとに、「税金がかからない条件」から「今すぐできる行動」まで、この記事でわかりやすくお伝えします。
売って利益が出なければ税金ゼロ?まず押さえたい結論


不動産売却とは、土地や建物を第三者に売って現金化する手続きのことです。
売却にあたって最も気になる税金について、まず結論をお伝えします。
不動産を売ったときに課税される「譲渡所得税」は、売却で利益(譲渡所得)が出た場合にだけかかります。
つまり、利益が出なければ譲渡所得税はゼロです。
さらに、利益が出ても控除や特例を活用すれば、税金がかからないケースは実は多いのです。
具体的には、税金がかからない条件は大きく2つに分けられます。
- 売却価格が取得費と譲渡費用の合計を下回った場合
取得費とは、その不動産を買ったときの購入代金や仲介手数料などの合計を指します。
ここから建物の減価償却費(年数の経過による価値の目減り分)を差し引いた金額が取得費になります。
譲渡費用とは、売るためにかかった仲介手数料や測量費、印紙税などの経費です。売却代金からこの2つを引いた結果がマイナスやゼロなら、そもそも利益が出ていないので税金は発生しません。 - 利益が出ても、控除や特例を使って課税される金額がゼロになる場合
代表的なのが「居住用財産の3,000万円特別控除」(租税特別措置法第35条)で、自分が住んでいた家を売って得た利益のうち3,000万円までは税金がかかりません。
マイホームを売る場合、この特例だけで税金がゼロになる方がかなり多いのが実情です。
ここで押さえておきたいのが、譲渡所得税の税率は「その不動産を何年持っていたか」で大きく変わるという点です。
売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」となり、税率は約20%(所得税15.315%+住民税5%、復興特別所得税を含む)。
5年以下の場合は「短期譲渡所得」で、税率は約39%とほぼ倍になります。
相続した不動産の場合、亡くなった方(被相続人)が取得した日から通算して所有期間を計算できるため、多くのケースでは長期譲渡所得に該当します。


なお、不動産売却では譲渡所得税のほかにも、以下の税金がかかります。
- 印紙税:売買契約書に貼るためにかかる
- 登録免許税:住宅ローンの抵当権を外すためにかかる
ただし、これらは数千円〜数万円程度の金額であり、数百万円単位になりうる譲渡所得税とはケタが違います。
「税金がかからない」かどうかを考えるうえで最も重要なのは、やはり譲渡所得税です。



不動産売却の相談現場では、「自分の家はいくらで売れて、税金はいくらかかるのか分からない」という声をとてもよく聞きます。
まずは「利益が出るかどうか」を確認することが、最初の判断ポイントです。
購入時の売買契約書が手元にある方は、そこに書かれた購入価格と、不動産会社に出してもらう査定額を見比べるだけで、おおまかな見通しが立ちます。
もし購入時の価格が分からない場合でも、あきらめる必要はありません。
登記簿謄本や当時のローン関連書類などから推定できる場合がありますので、まずは専門家に相談してみてください。


なぜ今、売却を考える人が増えている?データで見る不動産市場の変化


今このタイミングで不動産売却を検討する方が増えているのには、明確な理由があります。
地価の上昇、空き家の急増、そして制度改正という3つの追い風が重なっているのです。
地価は4年連続で上昇、「売り時」の判断材料に
国土交通省の『令和7年地価公示』(2025年3月公表)によると、全国の全用途平均地価は前年比2.7%上昇し、4年連続のプラスとなりました。
住宅地も2.1%上昇、商業地は3.9%上昇と、バブル崩壊以降で最大の上げ幅を記録しています。





たとえば、毎年届く固定資産税の通知書を思い出してください。
ここ数年、評価額が少しずつ上がっていませんか。
地価が上がっているということは、同じ家でも数年前より高く売れる可能性があるということです。
特に三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)では全用途平均で4.3%もの上昇を記録しており、住宅地に限っても3.3%のプラスとなっています。
地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)でも5.8%の上昇が続いていますが、上昇率はやや落ち着きつつあります。
一方で、人口減少が進む地方圏では依然として下落が続いている地域もあり、地域差が広がっている点には注意が必要です。



「うちの土地は上がっているのか、下がっているのか」を知りたい場合は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で地域ごとの取引価格や地価を無料で調べることができます。
パソコンやスマホから誰でもアクセスできますので、まずはご自身のエリアの相場を確認してみてください。
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加えて不動産会社に査定を依頼すれば、最新の市場動向を反映したより正確な価格がわかるよ。
マンション価格は2010年比で2倍超に急騰
同じく国土交通省の「不動産価格指数」(2025年9月分)を見ると、全国のマンション(区分所有)の価格指数は222.2に達しています。
これは2010年の平均を100とした数字ですから、ざっくり言えば15年前と比べてマンションの価格は2倍以上になっている計算です。


ご自宅の近くで「売物件」の看板やチラシを目にしたことがある方も多いでしょう。
あの価格が、10年前とは大きく違っています。
住宅総合の指数も145.4と高い水準にあり、戸建住宅やマンションを問わず、売却を検討するには追い風の環境が続いています。



マンションを売る場合、購入時より高く売れる可能性が十分あり、その場合は「税金がかかるのか、かからないのか」を事前に確認しておくことがとても大切になります。
空き家は全国900万戸、放置するリスクが年々高まっている
総務省の『令和5年住宅・土地統計調査』(2024年公表)によると、全国の空き家数は約900万戸で過去最多を更新し、空き家率は13.8%と過去最高になりました。
30年前の1993年と比べると空き家の数は約2倍に増えています。
さらに、賃貸や売却の予定がなく放置されている空き家は約385万戸にのぼり、5年前から約37万戸も増加しました。


この数字を日常に置き換えると、あなたのご近所の住宅7〜8軒のうち1軒は空き家、という計算です。
特に深刻なのが、賃貸や売却の予定もなく使い道のないまま放置されている空き家で、その数は全国で約385万戸。
これは総住宅数の5.9%にあたり、5年前から約37万戸増えています。
つまり、毎年7万戸以上のペースで「持て余された空き家」が増え続けているわけです。
空き家を放置していると、固定資産税の負担だけでなく、草木の繁茂や建物の老朽化による近隣トラブル、防犯面の不安が積み重なっていきます。



実際に売却を経験された方からは「毎月の草刈りと近隣対応だけで、年間15万円以上かかっていた」という声も珍しくありません。
2023年12月に施行された改正「空家等対策の推進に関する特別措置法」では、管理が不十分な空き家に対して市区町村が指導・勧告できる範囲が広がりました。
改正前は倒壊の危険がある「特定空家」だけが対象でしたが、改正後は窓が割れている、庭木が隣地に越境しているといった「管理不全空家」も新たに対象となっています。
空き家に対する措置の流れ


勧告を受けると住宅用地としての固定資産税の軽減措置(最大6分の1)が外れ、税負担が最大で約6倍に跳ね上がるケースもあります。
早めに売却の方向性を決めておくことが、こうしたリスクを避ける一番の方法です。
相続登記の義務化で「放置」が許されない時代に
2024年4月からは、相続した不動産の名義変更(相続登記)が法律で義務づけられました(不動産登記法の改正)。
相続を知ってから3年以内に登記しないと、正当な理由がない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。


これは2024年4月より前に相続が発生している場合にも適用され、その場合は2027年3月末までに登記する必要があります。
法務局への届出が必要になったことで、「とりあえず放っておこう」という選択が難しくなっています。



相続した実家を売却するにも、まず名義を自分に変える必要がありますので、早めに動くことが結果的に手間とコストの節約につながります。
相続登記に必要な書類は、戸籍謄本や遺産分割協議書などで、司法書士に依頼する場合の費用は5万〜10万円程度が相場です。自分で手続きすることも可能ですが、法務局の窓口で相談しながら進めるとスムーズです。


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税金ゼロを実現する3つのステップと使える制度


不動産売却で税金がかからない状態を実現するには、「自分のケースで使える制度を知り、正しい手順で申告すること」が欠かせません。ここでは、売却前から確定申告までの具体的なアクションを順を追って解説します。
まずは「利益が出るかどうか」を計算してみよう
税金がかかるかどうかの分かれ目は、「譲渡所得」がプラスかどうかです。
譲渡所得の計算式はシンプルで、「売却代金 −(取得費 + 譲渡費用)= 譲渡所得」です。
たとえば、30年前に3,000万円で購入したマイホーム(土地1,500万円、建物1,500万円)を2,500万円で売った場合を考えてみましょう。建物は木造住宅で、法定耐用年数に基づいて減価償却費を計算すると、30年間で建物部分の取得費はかなり小さくなります。
仮に減価償却後の建物取得費が300万円まで下がったとすると、取得費の合計は「土地1,500万円+建物300万円=1,800万円」。
ここに譲渡費用(仲介手数料や印紙税など)が100万円かかったとすると、譲渡所得は「2,500万円 −(1,800万円+100万円)= 600万円」となります。
一見すると利益が出ていますが、3,000万円特別控除を使えば600万円はまるごと控除され、税金はゼロです。
一方で、注意したいのは建物の「減価償却」の影響です。
木造住宅の場合、購入価格から毎年少しずつ価値の目減り分が差し引かれるため、30年経つと建物部分の取得費はかなり小さくなっています。そのため「買った金額より安く売ったはずなのに、計算上は利益が出てしまう」というケースもあります。



実際に売却を経験された方からは、「思ったより取得費が少なくて驚いた」という声をよくいただきます。
計算に必要なものは、購入時の売買契約書と、不動産会社の査定書の2つだけです。
購入時の契約書が見つからない場合は、売却代金の5%を取得費とするルール(概算取得費)が適用されますが、これだと取得費がかなり小さくなるため、税金が高くなりがちです。
たとえば2,500万円で売った場合、概算取得費はわずか125万円。
利益が2,375万円になってしまい、3,000万円の控除内には収まるものの、本来より大きな利益が計上されることになります。



まずは家の中の書類を探してみてください。
押し入れの奥やタンスの引き出し、銀行の貸金庫なども確認する価値があります。所要時間は30分〜1時間ほどです。
利益が出ても安心、「3,000万円特別控除」の使い方
自分が住んでいた家(居住用財産)を売って利益が出たとき、「3,000万円までの利益なら税金はかかりませんよ」と国が認めてくれている制度があります。
これが「居住用財産の3,000万円特別控除」(租税特別措置法第35条)です。


この特例を使うための主な条件は、以下の3つです。
- 売った年の前年・前々年にこの特例や買換え特例を使っていないこと
- 売主と買主が親子や夫婦などの特別な関係でないこと
- 住まなくなった日から3年後の年末までに売ること
所有期間の長さは問われないので、買ったばかりの家でも条件を満たせば使えます。
なお、この特例は建物だけでなく、その敷地(土地)の売却益にも適用されます。



実際に売却を経験された方の多くが、この制度を使って税金をゼロにしています。
たとえば、売却利益が2,000万円だった場合、3,000万円の控除枠に収まるので課税される金額はゼロになります。
もし利益が3,500万円だった場合は、3,000万円を差し引いた500万円に対してのみ税金がかかります。
ただし、税金がゼロでも確定申告は必要です。
申告しないと特例が適用されず、後から税務署から連絡が来ることがありますので、忘れずに手続きしてください。
もうひとつ注意しておきたいのが、この特例と住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は併用できないという点です。
マイホームを売ってから新しい住宅を購入する「住み替え」を考えている方は、どちらの制度を使ったほうが有利かをシミュレーションしてから判断することをおすすめします。
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計算が複雑になるケースもあるため、迷ったら税理士に相談するのが確実だよ。
相続した空き家にも「3,000万円控除」がある
親から相続した実家を売る場合にも、一定の条件を満たせば3,000万円の控除が使えます。
これが「相続空き家の3,000万円特別控除」(租税特別措置法第35条第3項)です。
主な条件は以下のとおりです。
- 亡くなった方(被相続人)がひとりで住んでいた家であること
- 1981年5月31日以前に建てられた旧耐震基準の建物であること
- 相続から3年後の年末までに売ることなど
建物を解体して更地にしてから売る場合にも適用できます。



相続した実家の売却を検討している方は、この特例の期限(相続から3年後の年末)を必ず確認してください。
期限を過ぎると使えなくなりますので、早めに不動産会社に査定を依頼し、売却のスケジュールを立てることをおすすめします。
古い家・残置物がそのままの状態でも、買取専門の不動産会社であれば現状のまま買い取ってもらえることがあります。
片付けや解体の手間を省けるだけでなく、売主の「契約不適合責任」(売った後に建物の欠陥が見つかった場合に負う責任)を免除してもらえるケースが多いのも安心材料です。
10年超の所有なら税率が下がる「軽減税率の特例」
マイホームを10年以上持っていた場合、3,000万円特別控除と合わせて「軽減税率の特例」を使うことができます。
通常、5年超の所有(長期譲渡所得)で税率は約20%(所得税15.315%+住民税5%、復興特別所得税含む)ですが、この特例を使うと6,000万円以下の部分の税率が約14%に軽減されます。
つまり、10年以上住んだ家を売る場合は、3,000万円を控除したうえで、残った利益にも低い税率が適用されるという二重のメリットがあるわけです。



宅地建物取引業法に基づく重要事項説明の際に、こうした税制特例の案内を受けることもありますが、詳しい適用判断は税理士に確認すると安心です。
「仲介」と「買取」、どちらが自分に向いている?
不動産の売却方法は大きく「仲介」と「買取」の2種類に分かれます。
- 仲介
不動産会社に買い手を探してもらう方法で、市場価格に近い金額で売れる可能性がある一方、買い手が見つかるまで数か月〜1年以上かかることもあります。
不動産会社には売却代金の3%+6万円(税別)を上限とする仲介手数料を支払います。
宅地建物取引業法で定められたこの上限額は、たとえば2,000万円の物件なら最大約72万円です。 - 買取
不動産会社が直接買い主になる方法です。
仲介手数料がかからず、「いつ売れるか分からない」という不安がないのが大きなメリットです。
また、買取の場合は「契約不適合責任」(売った後に雨漏りやシロアリなどの欠陥が見つかった場合に売主が負う責任)を免除してもらえるケースが一般的で、古い建物を売る方にとっては大きな安心材料になります。
残置物(家具や家財道具)がそのままでも引き取ってもらえる会社もあり、片付けの手間やコストを省けます。



「できるだけ高く売りたい」なら仲介、「早く確実に現金化したい」「古い家をそのまま売りたい」なら買取が向いていると言えます。
どちらが良いかは状況次第ですので、両方の査定を取って比較検討するのが賢い方法です。
担当者にご自宅まで来てもらえる会社であれば、物件の状態を見ながら丁寧に説明してもらえますし、ご家族と一緒に話を聞くこともできます。


確定申告は翌年2〜3月、必要書類は早めに準備
不動産を売却した翌年の2月16日〜3月15日に、税務署へ確定申告を行います。
特例を使って税金がゼロになる場合でも申告は必須ですので、忘れないようにしてください。
必要な書類は以下の5つです。
- 確定申告書
- 譲渡所得の内訳書
- 売買契約書の写し
- 取得費がわかる書類
- 登記事項証明書など
登記事項証明書は法務局のオンラインサービス(登記・供託オンライン申請システム)からパソコンやスマホで請求できます。
手数料は500円ほどで、届いた書類で土地の面積や建物の構造といった基本情報がひと目で確認できます。
書類の準備には1〜2週間ほどかかることもあるので、売却が決まったら早めに取りかかりましょう。



遠方にお住まいの方や多忙な方は、オンラインで手続きを進められる不動産会社を選ぶと、何度も現地に出向く負担を減らせます。


「うちも同じだ」と感じる売却ストーリー、2つの事例


ここまで制度の仕組みをお伝えしてきましたが、「結局、自分の場合はどうなるの?」という疑問が残る方もいらっしゃるでしょう。
ここでは実際によくあるパターンを2つの事例として紹介します。
事例1:相続した築45年の実家を売った田中さん(67歳・会社員・夫婦二人暮らし)
- 田中さんは都内在住
- お母様はひとり暮らしで、築45年の木造一戸建てで暮らす
- 3年前に埼玉県にある実家のお母様を亡くす
- 相続登記は済ませたものの、そのまま空き家として放置



毎月の管理が本当に大変で。草刈りのために片道1時間半かけて通って、近所の方から『庭の木が伸びている』と連絡が来るたびに申し訳ない気持ちになっていました。
売却を考え始めたきっかけは、固定資産税の通知書でした。



住んでいないのに年間12万円。しかも管理のための交通費や草刈りの業者代を合わせると、年間20万円以上の持ち出しです。
妻に『あのお家、どうするつもりなの?』と聞かれて、ようやく本気で考え始めました。
ただ、築45年の古い家です。



こんなボロボロの家、買う人なんているのかな。家の中にまだ母の荷物がたくさん残っていて、片付けだけで何日もかかりそう。
不安は尽きませんでした。
まず田中さんがしたのは、インターネットで買取専門の不動産会社に査定を依頼することでした。
すると、担当者が自宅まで来てくれて、「残置物はそのまま、建物の状態も現状のままで買い取れます」と説明を受けました。



正直、拍子抜けしました。てっきりリフォームや解体が必要だと思っていたので。
査定額は土地の価値を中心に約1,200万円。
お母様が購入した当時の売買契約書も見つかり、取得費を計算すると売却利益は約800万円でした。相続空き家の3,000万円特別控除の条件も満たしていたため、税金はゼロ。
仲介ではなく直接買取だったので仲介手数料もかからず、相談から引渡しまで約3週間で完了しました。



もっと早く動けばよかった、というのが正直な感想です。
3年分の管理費や固定資産税を考えると、60万円以上は節約できたと思います。妻も『これでスッキリしたね』と言ってくれました。
田中さんのケースで特にポイントだったのは、相続空き家の3,000万円特別控除の「期限」を意識して動いたことです。この特例は相続から3年後の年末が期限で、田中さんはギリギリのタイミングでした。



あと半年遅れていたら特例が使えず、税金が発生していたかもしれません。担当の方に期限のことを教えてもらって、本当に助かりました。
また、直接買取の場合は仲介と違って「買い手を探す期間」が不要なため、相談から最短2週間ほどで現金化できるケースもあります。



相続税の申告期限(被相続人が亡くなってから10か月以内)が迫っている方にとっては、この速さが大きなメリットになります。
事例2:住み替えのために自宅マンションを売った鈴木さん(52歳・パート勤務・子ども2人)
- 鈴木さん(家族4人)
- 15年前に3,800万円で購入した都内のマンション(3LDK)に暮らす
- 夫婦二人には広すぎるマンションを売って、駅近のコンパクトな物件に住み替えることを決意



正直、不動産会社に連絡するのが一番ハードルが高かったです。
『しつこく営業されるんじゃないか』『売る気がなければ怒られるんじゃないか』って。夫に相談したら『まず話だけ聞いてみたら?』と言われて、ようやく一歩踏み出しました。
査定の結果、マンションの価値は約5,200万円。
購入時の3,800万円から建物の減価償却費を差し引いた取得費は約3,100万円で、仲介手数料などの譲渡費用を引いても約1,900万円の利益が出る計算でした。



利益が出ると聞いたとき、『税金がすごいことになるのでは』と焦りました。でも、担当の方が『3,000万円特別控除を使えば、1,900万円の利益は全額控除されるので税金はゼロですよ』と教えてくれて、ホッとしました。
さらに15年以上所有していたため、万が一利益が3,000万円を超えても軽減税率の特例が使えることも案内されました。
確定申告の書類も、不動産会社が必要書類のリストを作成してくれたため、迷うことなく準備できたそうです。



『怖い』と思っていた不動産会社への相談が、結果的には一番の安心材料になりました。
知らないことが不安の原因だったんだと気づきましたね。今は夫婦二人にちょうどいい広さの部屋で、快適に暮らしています。
鈴木さんのケースで注目すべきは、マンションの価格が15年間で大きく上がっていた点です。
国土交通省の不動産価格指数でもマンションの価格指数は222.2(2010年比)と2倍以上に上昇しており、都市部のマンションを売る場合は利益が出る可能性が高い状況が続いています。
しかし、3,000万円特別控除と10年超の軽減税率の特例を組み合わせることで、税負担を大きく抑えることができます。



漠然とした不安で3年も先延ばしにしてしまったけど、相談してみたら意外とシンプルだった。
ちなみに、売却で利益が出ずに損失(譲渡損失)が発生した場合は、一定の条件を満たせば給与所得などの他の所得から差し引ける「損益通算」や「繰越控除」の制度も用意されています。



つまり、利益が出ても出なくても、確定申告をすることで税金面でのメリットを受けられる可能性があるのです。


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不動産売却の税金にまつわるよくある質問


迷ったら「まず査定」から始めてみませんか?


この記事の要点を3つにまとめます。
- 不動産を売って利益が出なければ、譲渡所得税はそもそもかからない
利益が出ても、3,000万円特別控除をはじめとする制度を使えば税金がゼロになるケースは多いということです。 - 相続登記の義務化、空き家の増加、地価の上昇が重なっている今は、売却に適したタイミング
先延ばしにすると、管理コストや税制上の不利益が積み重なっていきます。 - 「難しそう」「面倒そう」という不安は、正しい情報を知ることで大きく軽減できる
購入時の契約書を探す、査定を依頼する、といった小さな一歩が、結果的に大きな安心につながります。
まずご自宅や相続した不動産の「査定」を取ってみることから始めてみましょう。査定は無料で受けられるのが一般的ですし、担当者がご自宅まで訪問してくれる不動産会社もあります。



「まず話を聞いてみるだけ」でもまったく問題ありません。家族と一緒に話を聞くこともできますし、無理な売り込みをしない会社を選べば、安心して相談できます。
売るかどうかはその後で決めれば大丈夫です。まずは「うちの家はいくらなのか」を知ることから始めてみてください。ファイナンシャルプランナーや税理士、司法書士といった専門家も、こうした相談の心強い味方になってくれます。

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