
売り出して2カ月、問い合わせがほとんどない……。
値下げすべき? でも、いくら下げればいいの?
不動産売却で価格の見直しに悩む方は、実はとても多いのです。
2024年4月に相続登記が義務化されたこともあり、相続した実家や空き家の売却を急ぐ方が増えています。



一方で、焦って大幅に値下げしてしまい、数百万円単位で損をしてしまうこともあります。
この記事では、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー(AFP)として多くの売却相談に携わってきた筆者が、「いつ・いくら値下げすべきか」の判断基準と、損をしないための具体的な価格戦略を、分かりやすくお伝えします。
不動産売却の値下げ、結局どうすればいい?まず押さえたい3つの鉄則
不動産売却の値下げは「売り出しから3カ月」が最初の見直しポイントで、値下げ幅は「売り出し価格の5〜10%」が損をしにくい目安です。
ただし、やみくもに下げるのではなく、事前に「ここまでなら下げてもいい」という最低ラインを決めておくことが大切です。
そして値下げとは、売り出し中の物件の価格を下方に修正することを指します。
値下げをうまく使えば売却のスピードが上がりますが、やり方を間違えると「もっと高く売れたのに……」という後悔につながります。



宅地建物取引士として多くの売却相談に対応してきた経験から言えるのは、値下げの判断で失敗する方には共通のパターンがあるということです。「3つの鉄則」を先に整理しておきましょう。
- 売り出し価格を適正に設定する
ここがずれていると、どんなに待っても買い手が現れず、結果的に大幅な値下げを余儀なくされます。 - 値下げの限度額(最低ライン)をあらかじめ決めておく
住宅ローンの残債がある場合はローン完済に必要な金額、残債がなければ次の住まいの資金計画から逆算して、「ここより下には絶対に下げない」という金額を家族と話し合っておきましょう。 - 反響の数字を根拠に判断する
「なんとなく売れない気がする」ではなく、問い合わせ件数や内覧回数といった客観的なデータに基づいて値下げの要否を決めることが、納得のいく売却につながります。



相続で空き家を抱えている方、納税期限が迫っている方、老後資金のために早めに現金化したい方。
それぞれ事情は異なりますが、この3つの鉄則はどんなケースにも共通する基本です。
これから順番に、データや事例を交えながら詳しく解説していきます。
「3カ月で売れなかったら危険信号」は本当?データで見る売却期間と価格の関係


結論から言うと、不動産の売り出しから成約までの平均期間は約3カ月です。
この3カ月を過ぎても反響がない場合は、価格の見直しを検討するタイミングと言えます。
ただし、「3カ月=必ず値下げ」ではなく、なぜ売れていないのかの原因分析が先です。
レインズのデータが示す「売却期間の目安」とは
不動産会社が物件情報を共有するために使っているシステムに「レインズ(REINS)」というものがあります。
これは国土交通大臣が指定した不動産流通機構が運営する全国規模のデータベースで、売り出し中の物件や成約済みの物件の情報が蓄積されています。
公益財団法人東日本不動産流通機構が公表した「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」によると、2025年の首都圏における登録から成約までの平均日数は以下のとおりでした。
- 中古マンション:82.5日
- 中古戸建て:100.9日
- 土地:89.8日
たとえば、ご近所で「売物件」の看板が出ている家を思い浮かべてください。
あの看板が出てからだいたい3カ月前後で「成約済み」に変わるのが平均的なペースということです。
逆に言えば、看板が半年以上出っぱなしの物件は「何かしら売れにくい理由がある」と周囲にも見られてしまい、ますます買い手がつきにくくなる悪循環に陥りがちです。



つまり、3カ月というのは「値下げしなさい」という期限ではなく、「一度立ち止まって原因を分析しましょう」というシグナルなのです。
不動産価格は本当に上がっているのか——価格指数の読み解き方
「今は不動産が高いから、焦って値下げしなくていいのでは?」と感じる方もいるでしょう。
確かに、国土交通省が発表する不動産価格指数を見ると、2010年の平均を100とした場合、2025年12月時点の住宅総合の指数は148.0と、大きく上昇しています。
特にマンション(区分所有)は225.1と、15年前の2倍以上の水準に達しています。


ただし、これはあくまで「全国平均」の話です。
固定資産税の通知書に書かれているご自宅の評価額や、近隣で最近売れた物件の価格と見比べてみると、地域によって大きな差があることが分かります。
三大都市圏や札幌・仙台・広島・福岡といった地方中核都市では地価が上昇傾向にある一方、それ以外の地方圏では住宅地の地価が下落している地域も少なくありません。





「全国的に価格が上がっているから」という理由だけで値下げを先延ばしにすると、ご自身の物件がある地域では実はすでに下落が始まっていた、というケースもあり得るのです。
大切なのは「全国の平均値」ではなく、「自分の物件の周辺相場」を正確に把握することです。
空き家900万戸時代——売れ残りリスクを「自分ごと」にする
不動産売却の値下げを考えるうえで、もう1つ知っておきたいデータがあります。
総務省が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」(2023年10月1日時点)によると、全国の空き家数は約900万戸で過去最多を記録しました。
空き家率は13.8%と過去最高です。
さらに注目すべきは、賃貸用や売却用、別荘などを除いた「使う予定のない空き家」が385万6千戸にのぼり、5年前から173万8千戸も増えている点です。


この数字を身近に置き換えると、お住まいの町内を見渡したとき、およそ7軒に1軒は空き家になっている計算です。
しかもこの割合は年々じわじわと高くなっています。
空き家が増えるということは、中古住宅のライバルが増えるということ。
同じ時期に同じエリアで複数の物件が売りに出ていれば、買い手は当然、条件の良い物件から選びます。
つまり、早めに適正価格で売り出すことが、結果的に値下げ幅を最小限に抑えるカギになるのです。
空家等対策の推進に関する特別措置法の改正(2023年12月施行)により、管理が不十分な空き家は「管理不全空家等」として市町村から指導・勧告を受ける仕組みが新設されました。
勧告を受けた場合、固定資産税の住宅用地特例が解除され、税額が大幅に上がります。



相続した空き家をそのまま放置していると、税負担が増えるうえに建物の劣化で市場価値がどんどん下がり、売りたくても売れないという状況に追い込まれかねません。
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早めに動くことで、こうしたリスクが回避できるんだね。
売り出し価格と成約価格の「乖離率」に注目する
不動産売却の相談現場でよく見かけるのが、「売り出し価格=手に入る金額」と思い込んでいるケースです。
実際には、売り出し価格と成約価格には差があるのが一般的です。
この差のことを「乖離率(かいりりつ)」と呼びます。
たとえば3,000万円で売り出した物件が2,850万円で成約した場合、乖離率は約5%です。



不動産売却では買主からの値引き交渉がほぼ前提と考えておくべきで、最初から「交渉分」を価格に織り込んでおくことが、プロの価格設定の基本になります。
この点は次のセクションで詳しくお話しします。




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値下げで損しないための5つの実践ステップ——「いつ・いくら・どうやって」を具体的に


結論から言うと、値下げは「感覚」ではなく「戦略」です。
あらかじめスケジュールと金額のルールを決めておくことで、焦りによる大幅値下げを防ぎ、冷静な判断ができるようになります。
売り出し前に「最低ライン」と「値下げスケジュール」を決める
不動産売却で最も大切な準備は、売り出す前に「ここより下には絶対に下げない」という最低ラインを設定しておくことです。
以下のものを準備して、決めていきましょう。
- 住宅ローンの残高証明書(ローンがある場合)
- 直近の固定資産税通知書
- 電卓
具体的には、まず住宅ローンの残債を確認します。
金融機関に電話するか、インターネットバンキングで残高を照会すれば、10分ほどで分かります。
次に、売却にかかる費用を概算します。
仲介手数料の上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」、そのほかに印紙税や司法書士への報酬、引っ越し費用などがかかります。
宅地建物取引業法で仲介手数料の上限額が決められていますので、法外な手数料を請求されることはありません。
ローン残債と諸費用を合計した金額が、売却価格の「絶対に割れてはいけないライン」です。
そのうえで、「いつまでに売りたいか」という期限と「何段階で値下げするか」のスケジュールを、あらかじめ紙に書いておきましょう。
たとえば「売り出しから3カ月で反響がなければ5%下げる、さらに2カ月で動きがなければもう5%下げる、6カ月目には買取も検討する」といった具合です。



こうした計画がないまま販売活動を始めると、「もう少し待てば売れるかも」とずるずる先延ばしにしてしまい、結局1年後に大幅値下げ……という失敗パターンに陥りがちです。
売り出し価格に「交渉しろ」を上乗せしておく
不動産の売買では、買主から値引き交渉が入ることがほぼ前提です。
不動産売却の相談現場では、「端数の切り捨て」を求められるケースが最も多く見られます。
たとえば2,980万円で売り出した物件に対して「2,900万円にしてもらえませんか」と交渉が入る、というイメージです。
そこで、売り出し価格を設定する際は、あらかじめ50万〜100万円程度の「交渉しろ」を上乗せしておくのがプロの常識です。
本当に売りたい価格が2,900万円なら、2,980万円で売り出す。
こうすれば、買主から「端数を切ってほしい」と言われたときに、気持ちよく応じることができます。
買主は「値引きに成功した」と満足し、売主は当初の希望額で売れる。
お互いにとって良い結果になるのです。
価格設定のコツとして、「端数」の使い方にも工夫があります。
「3,000万円」と「2,980万円」、わずか20万円の差ですが、買主が不動産ポータルサイトで物件を検索するとき、多くの場合「3,000万円以下」という条件で絞り込みます。



3,000万円ちょうどで出してしまうと、この検索に引っかからず、そもそも見てもらえない可能性があるのです。
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端数を持たせた価格設定は、こうした買主の心理と検索行動を踏まえた戦略なんだね。
最初の1カ月の「反響」を正しく読み取る
売り出してから最初の1カ月間は、その物件に最も注目が集まる「旬」の時期です。
この期間の問い合わせ件数や内覧申込みの数が、今後の販売活動の方向性を決める重要な判断材料になります。
目安としては、売り出しから2週間で問い合わせがゼロ、1カ月で内覧が1件もないという状況であれば、価格が相場から乖離している可能性が高いです。
不動産会社の担当者に「問い合わせは何件ありましたか」「他社から物件の照会はありましたか」と具体的に確認してみてください。



専任媒介契約や専属専任媒介契約であれば、不動産会社は定期的に販売活動の報告をする義務がありますので、遠慮なく聞いて大丈夫です。
ただし、売り出し直後に買主から値引き交渉が入った場合、すぐに応じる必要はありません。
不動産売却の現場では、「売り出し直後の値引き交渉には応じない」というのが基本的なセオリーです。
なぜなら、まだ他にも購入を検討している人がいるかもしれないのに、最初の交渉で安易に値下げしてしまうと、もっと好条件で買いたかった別の買主を逃してしまう可能性があるからです。
3カ月経過——値下げ前に「売れない原因」を洗い出す
売り出しから3カ月が経過しても成約に至らない場合、まず「価格以外に売れない原因がないか」を確認しましょう。
不動産会社の担当者と一緒に、以下の点を振り返ります。
- 内覧は来ているのに成約しないのか、それとも内覧自体がないのか
内覧が来ているなら、物件の印象に問題がある可能性があります。
部屋が散らかっていないか、生活感が強すぎないか、水回りの汚れが目立っていないかを確認し、必要に応じてハウスクリーニング(費用の目安は2LDK〜3LDKで5万〜10万円程度)を検討してみてください。 - 内覧自体がない場合は、そもそも物件情報が買い手に届いていない可能性がある
不動産会社がレインズに登録しているか、写真は魅力的に撮れているか、物件のアピールポイントがきちんと記載されているかを確認しましょう。
物件写真が暗い・少ないといった問題は意外と多く、写真を撮り直すだけで反響が変わるケースもあります。
こうした「価格以外の改善策」を試してもなお反応が薄い場合に、初めて値下げを検討する。
これが正しい順番です。
値下げ幅の目安は、売り出し価格の5%が一般的な第一段階です。
3,000万円の物件であれば150万円下げて2,850万円にする、といったイメージです。



いきなり10%以上の大幅値下げは、買主に「何か問題がある物件では?」と逆に警戒される恐れがあるため、段階的に下げていくことをおすすめします。


値引き交渉への対応——冷静に・不動産会社を通じて
買主から「もう少し安くなりませんか?」と値引き交渉を受けたとき、売主が直接交渉に応じるのは避けましょう。
感情的になったり、その場の雰囲気で判断してしまったりするリスクがあるためです。
必ず不動産会社の担当者を通じて回答するのが鉄則です。
値引き交渉に応じるかどうかの判断基準は、ステップ1で決めた「最低ライン」と「値下げスケジュール」に照らし合わせること。
感覚ではなく、事前の計画に基づいて判断すれば、冷静に対応できます。
なお、買主から買付証明書(購入申込書)が出た段階での交渉は、「この価格なら本当に買います」という意思表示の証ですので、真剣に検討する価値があります。
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口頭だけで「いくらなら買う」と言われた場合は、書面での意思表示を求めるように!
値引き交渉は「価格だけが交渉材料」ではありません。
たとえば「引き渡し時期を買主の希望に合わせる代わりに、価格は据え置き」「残置物の処分を買主が負担する代わりに、50万円値引きする」など、価格以外の条件を組み合わせることで、お互いが納得できる着地点を見つけやすくなります。



こうした交渉の工夫は、経験豊富な不動産会社の担当者が得意とするところですので、信頼できるパートナーを選ぶことが大切です。


「値下げして良かった」「もっと早く動けば…」——売却判断のリアル体験談


結論から言うと、値下げの判断は「早すぎても遅すぎても」後悔につながります。
ここでは、異なる状況で値下げと向き合った2人の体験談を紹介します。
「自分ならどうするか」を想像しながら読んでみてください。
相続した実家を3カ月で売却——計画的な値下げで手取り額を最大化した佐藤さんの場合
- 佐藤和子さん(62歳・パート勤務・夫と二人暮らし)
- 昨年亡くなった母親から築35年の木造一戸建て(郊外の住宅地、土地約50坪)を相続
- 兄弟は弟が1人、弟も自宅があり、実家に住む予定はなし
- 遺産分割協議で「実家は売却して代金を折半する」と決定
- 相続税の申告期限(相続開始から10カ月以内)が気になっている状況
ある日、実家の郵便受けに固定資産税の通知書が届きました。
年額12万円。
「誰も住んでいない家に、毎年これだけ払い続けるの?」と思ったとき、弟から電話がありました。



姉さん、あの家どうする?草も伸びてきたみたいだし、近所の人に迷惑かけてないか心配で。
この一言が、売却に本腰を入れるきっかけになりました。
佐藤さんは早速次の行動をとりました。
- 法務局のオンラインサービスで登記事項証明書を取り寄せる(手数料は500円ほど、パソコンから申請できて3日後に到着)
- 2社の不動産会社に査定を依頼
- そのうち1社は自宅まで訪問してくれ、物件の状態を見ながら丁寧に説明



「無理な売り込みはしませんので、まずは話を聞いていただくだけで大丈夫ですよ」と言われ、夫と一緒に話を聞くことができました。
査定額は2社とも1,800万円前後。
不動産会社のアドバイスで、売り出し価格は交渉分を含めて1,950万円に設定しました。
同時に、「1カ月で反響がなければ1,880万円に、3カ月で売れなければ1,780万円まで下げる。
それでもダメなら買取を検討する」というスケジュールを事前に決めました。
結果的には、売り出しから2週間で3件の問い合わせがあり、1カ月目で内覧に来た買主候補から「1,850万円にしてもらえませんか」と交渉が入りました。
最低ラインの1,780万円よりずっと上。
担当者を通じて「1,880万円ならお受けします」と回答し、最終的に1,880万円で合意。
売り出しから約2カ月半で売買契約が成立しました。



古い家だから売れないと思い込んでいました。
でも、相続した空き家をそのまま買い取ってくれる会社があることも知りましたし、最終的には仲介で希望に近い金額で売ることができました。
一番の教訓は、値下げのスケジュールを最初に決めておいたこと。おかげで、交渉が来たときも焦らずに済みました。
残置物(家具・家電)については、買取専門の会社であれば現状のまま引き取ってもらえるケースもあると聞いていたので、気持ちの上でも余裕がありました。
弟とも無事に売却代金を折半でき、相続税の申告期限にも間に合いました。
値下げを先延ばしにして苦労した——田中さんの1年間の売却記録
- 田中誠一さん(55歳・会社員・妻と高校生の息子の3人家族)
- 住み替えのため自宅マンション(築18年・3LDK・最寄り駅から徒歩12分)を売却することに
- 住宅ローンの残債は約1,500万円
- 「ローンを完済して、なおかつ次の家の頭金も欲しい」と考え中
不動産会社の査定額は2,600万〜2,800万円。
田中さんは「高く売りたい」という思いが強く、一番高い査定を出した会社と専任媒介契約を結び、3,200万円で売り出しました。
査定額より400万円も高い強気の設定です。「相場が上がっているから、この金額でも売れるはずだ」そう思っていました。
しかし、売り出しから1カ月、問い合わせはわずか2件。内覧に来たのは1組だけで、「ちょっと予算オーバーです」と断られました。
担当者から「少し価格を見直しませんか?周辺の類似物件は2,700万〜2,900万円で出ていますよ」と提案されましたが、田中さんは「もう少し待ちます」と断りました。



まだ1カ月しか経っていないし、焦って下げたくない。
それが正直な気持ちでした。
3カ月が経過。問い合わせはほぼゼロに。
妻から「いつ売れるの? 新しい家の話もあるのに」と言われ、ようやく3,000万円に値下げしました。
しかし、すでに3カ月間売りに出されていたことが不動産ポータルサイトの掲載日数から分かるため、買い手からは「長く売れ残っている物件」という印象を持たれてしまいます。
「売れ残り感が出ると、さらに値引き交渉を強気で入れてくる買主が増えるんです」と担当者から説明を受け、田中さんは頭を抱えました。
6カ月目に不動産会社を変更し、改めて査定をやり直しました。
新しい担当者のアドバイスで、写真を全部撮り直し、2,780万円で再スタート。
すると2週間で問い合わせが5件。内覧も立て続けに入りました。結局、買主から「2,650万円にしてほしい」という交渉が入り、「2,700万円」で折り合いがつきました。売り出しから約11カ月、最初の査定額の中間値である2,700万円での成約です。



最初から2,900万円くらいで出していれば、3カ月で2,800万円前後では売れていたと思います。査定額より高く出したのが失敗でした。
そのせいで11カ月もかかり、精神的にも疲れましたし、ローンの支払いも11カ月分余計にかかりました。値下げのタイミングを先延ばしにしたことで、結果的にもっと損をしてしまった。
これからマンションを売る方には、『適正価格でスタートすることが最大の節約だ』と伝えたいです。
この2つの事例が示すのは、値下げは「いかに避けるか」ではなく、「いかに戦略的に組み込むか」がポイントだということです。
事前に計画を立てておけば、佐藤さんのように余裕を持って交渉に臨めます。
逆に、計画なしに感情で判断してしまうと、田中さんのように時間も費用も余計にかかってしまうのです。
なお、田中さんのように「いつ売れるか分からない」ことが不安な方は、仲介と並行して買取を検討するのも一つの手です。
買取専門の会社に直接売却すれば、仲介手数料がかからず、早ければ2週間ほどで現金化できるケースもあります。



契約不適合責任(売った後に建物の欠陥が見つかった場合、通常は売主が修繕費を負担する責任のこと)も免除されることが多いので、古い家や残置物が心配な方にとっては安心材料になります。


不動産売却の値下げにまつわるよくある質問
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※お電話は平日のみの対応となります
値下げの判断を味方にして、納得できる売却を実現しよう


この記事のポイントを3つにまとめます。
- 不動産売却の値下げで損をしないために最も大切なのは、「売り出す前の準備」
最低ライン・値下げスケジュール・交渉しろの上乗せ。
この3つを事前に決めておけば、いざ値下げの判断を迫られたときにも、冷静に、かつ自信を持って対応できます。 - 値下げのタイミングは「3カ月」が一つの目安。その前に「売れない原因が本当に価格なのか」を検証する
写真の撮り直し、内覧対応の改善、不動産会社の販売活動の見直しなど、価格を下げなくても成約につながる工夫はたくさんあります。 - 値引き交渉は不動産売買では当たり前のこと
恐れる必要はありません。
ただし、交渉は必ず不動産会社を通じて行い、感情ではなく事前の計画に基づいて判断してください。
租税特別措置法第35条に基づく3,000万円特別控除など、売却にまつわる税金の制度を事前に把握しておくことも、手取り額を最大化するうえで重要です。
税金のことは税理士に、売却の段取りは宅地建物取引士に。
それぞれの専門家を頼ることが、結果的に一番の近道になります。



まずは、自分の物件の周辺相場を調べてみましょう。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」にアクセスすれば、近隣の実際の取引価格を無料で検索できます。パソコンでもスマホでも使えます。
まずは相場を知ることから始めてみてください。それが、「値下げで損をしない」ために大切なことです。

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