
契約してしまったけど、やっぱり売るのをやめたいなぁ…



途中でキャンセルしたら、違約金でとんでもない額を請求されるのでは…
そんな疑問をお持ちではありませんか。
結論からお伝えすると、不動産売却はどの段階でもキャンセルできますが、手続きが進むほど金銭的な負担が重くなります。
この記事は、宅地建物取引士とファイナンシャル・プランナー(AFP)として売買の現場で相談を受けてきた経験をもとに、違約金の相場、解除の流れ、タイミング別の注意点を分かりやすく解説していきます。



この記事を読み終わるころには「キャンセルの方法やタイミング」まで詳しく見えているはずです。
- 不動産売却キャンセルのタイミング別の可否と費用の全体像
- 媒介契約(一般・専任・専属専任)の解除方法と実費の相場
- 売買契約後の「手付解除」と「契約違反解除」の違い
- 違約金を抑えるために活用できる特約と公的な制度
- 後悔しないために今日からできる具体的な5分アクション
30秒でわかる不動産売却キャンセルの可否と費用の全体像


結論からお伝えすると、不動産売却はどの段階でもキャンセルが可能です。
売買契約後には、売買代金の10〜20%相当の違約金が発生することが多いので要注意!
一方、査定だけのタイミングであればまだ契約をしていないため、キャンセル料はかかりません。
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買主が見つかって「売買契約」まで進んだあとであれば、売買代金の1〜2割に相当する違約金がかかることも…



「契約書にサインしてしまった=キャンセルできない」というわけではないということです。
公的データから読み解く不動産売却キャンセルの背景と現状


近年、「途中でのキャンセル」をめぐる悩みは確実に増えています。
客観的なデータから、いまの市場の動きを把握していきましょう。
不動産価格指数と住宅市場動向調査から見える売却のタイミング
国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」によると、住宅総合の価格指数は2010年平均を100としたとき、近年は130を超える水準で推移しています。





つまり、自宅の購入が2010年代前半だった場合、単純計算で3割ほど価格が上昇しているということです!
家を売りたい人にとっては追い風が続いています!
空き家と相続不動産の増加が生むキャンセル相談の現場
総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」(速報集計)によると、全国の空き家は900万戸(過去最多)に達し、住宅総数に占める割合は13.8%と過去最高となりました。
このうち、賃貸や売却予定がなく放置されている「その他空き家」は、およそ385万戸にのぼります。


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7軒に1軒が空き家という状況なんだ…



ご実家を相続したものの、住む予定がなく固定資産税だけを払い続けている方や、草刈りや近隣への対応に疲れてしまったという方も増えています…
さらに、2024年4月から「相続登記」が義務化されました。
これは、法務省の「相続登記の申請義務化」という制度変更によるもので、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、名義変更の登記をしなければ10万円以下の過料が科されるというルールです。
結果、相続した不動産の売却を急ぐ方が増えるように。
同時に「家族会議で意見が割れた」「思ったより手続きが大変で気持ちが揺らいだ」といった理由でキャンセルを検討するケースも増えています。



相談現場では「相続した兄弟で意見が分かれ、契約直前で白紙に戻した」ということも起きています。
3,000万円特別控除と譲渡所得税がキャンセル判断に与える影響
マイホームを売って利益が出た場合、所有期間に関係なく最高3,000万円までを利益から差し引ける「3,000万円特別控除(居住用財産の特別控除)」という制度を使えます。
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多くの方は、この控除を使うことで税金が大きく軽減されるんだ!
一方で、相続した空き家については、一定の条件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」が使える場合があります。



相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、税金が安くなります!
つまり、相続空き家の場合は「いつまでに売るか」で税金の金額が大きく変わります。
キャンセルを検討するときは感情だけで判断せず、税金の期限と合わせて冷静に整理することが大切!
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安易にキャンセルをしてしまい、次の売却先を探している間に期限を過ぎてしまうと、本来払わなくてよかった税金がかかるかもしれないね…



ただし、期限内に再度売却先が見つかれば特例は適用できますので、必要以上に悲観することはありません。


タイミング別に見る不動産売却キャンセルの手順と違約金の実際


結論として、不動産売却のキャンセルは「査定後」「媒介契約後」「売買契約後」の3段階で対応がまったく異なります。
段階ごとの具体的な手順と費用の目安を、順番に整理していきます。
査定後から媒介契約前までなら違約金なしでキャンセルできる
査定は無料で提供している会社がほとんどで、「査定を受けたら売らなければいけない」というルールは存在しません。
まず押さえておきたいのは、不動産会社に査定を依頼しただけの段階であれば、その後に売却をやめても一切お金はかかりません。



しつこく引き止められるのではと心配される方もいらっしゃいますが、宅地建物取引業法で不当な勧誘は禁じられていますので、毅然と断って問題ありません。
訪問査定を受けたあとのキャンセルも同様です。
担当者が自宅まで来てくれた場合でも、その時点では何の契約も結んでいないため、違約金や出張費などを請求されることはありません。



「訪問した以上は契約してもらう」という会社があれば、その時点で別の会社に切り替える方がよさそうね…
その場で契約を迫らず、「まず話を聞いてみるだけ」でも構わないというスタンスの会社を選べば、ご家族同席で落ち着いて検討できます。
媒介契約を解除する方法と契約の種類別の実費の相場
媒介契約の場合は、基本的にいつでも違約金なしで解除できます。
ただし、不動産会社がすでに広告費や現地調査費などの実費を使っている場合、その精算を求められることがあります。



実費精算する場合、金額の目安は数万円〜10万円程度です。
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領収書など根拠書類の提示を求めれば、不当な請求を避けられます。
解除の手順は、内容証明郵便などの書面で「媒介契約を解除します」と意思表示することが基本です。
- 契約日
- 物件の所在地
- 解除の意思
- 解除の日付



口頭だけでは後々のトラブルになるかもしれないし、書面で通知するのが無難ね。
契約期間の満了を待って更新しなかった場合は、違約金も実費精算も発生しません。
急ぎでなければ、満了までの残り期間を確認し、自然な形で契約を終えるのも有効な選択肢です。
売買契約後のキャンセルは手付解除と契約違反解除で費用が大きく違う
売買契約後は、「手付解除」になるか「契約違反解除」になるかがポイント。
手付金が100万円であれば、200万円を買主に支払うことで解除できます。



ただし、この方法が使えるのは「契約の履行に着手する前」までです。
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それ以降は「契約違反による解除」になるよ!
3,000万円の物件であれば、300万円〜600万円の違約金が発生する計算になります。



具体的な金額は契約書に記載された違約金条項に沿って算出されるのね。
どうしても売却をやめたい事情があるものの違約金の負担が重い場合は、「買主との合意による解除」という選択肢もあります。
交渉が必要ですが、当事者が合意すれば違約金の減額や特別な条件での解除が可能です。
実例に学ぶ不動産売却キャンセルの体験談と判断のヒント


結論として、実際のキャンセル事例を知ることで、ご自身の状況に近いケースが見つかり、冷静な判断につながります。
ここでは、相談現場で関わった2つの事例をもとに、キャンセルの背景と学びをお伝えします。
事例1:契約直前で家族の反対により媒介契約を解除した佐藤さん(仮名・62歳)
- 62歳のパート勤務
- ご主人と郊外のマンションにお住まい
- 10年前に亡くなったお母様から実家(築35年の一戸建て)を相続
- 実家は長年空き家のまま
固定資産税の通知書が届いた春、毎年12万円近くを払い続けていることにふと疲れを感じ、「もう売ろう」と決意されました。
インターネットの一括査定を利用し、地元の不動産会社3社から査定を受け、1,200万円の査定額を提示した会社と専任媒介契約を締結しました。
ところが、契約を結んでから2週間後、離れて暮らす弟さんから強く反対されてしまいます。



本当に売っちゃっていいの?
母さんが育てた庭の梅の木もあるんだよ…



でも、このまま誰も住まない家を持ち続けても、固定資産税も修繕費もかかる一方で…
家族会議を重ねた結果、佐藤さんは「一度立ち止まって考え直したい」と決断されました。
まず佐藤さんは、契約した不動産会社の担当者に電話で事情を説明しました。



わかりました。
ご家族の事情ですから、これまでかかった実費の範囲でお願いします。
最終的に内容証明郵便で正式な解除通知を送り、最後に広告費と現地調査費の実費として約8万円を精算して手続きが完了しました。



違約金で何十万円も取られるかと覚悟していたのですが、実費だけで済んでほっとしました。
媒介契約の段階であれば、実費精算の範囲で穏やかに解除できます。
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大規模な宣伝や広告が始まる前のタイミングが、負担を抑える分かれ目になるんだね!
事例2:売買契約後にローン特約で白紙解除となった田中さん(仮名・58歳)
- 子どもの独立を機に自宅のマンション(築20年・3LDK)の住み替えを検討
- 長年住んだ物件を3,500万円で売りに出し、わずか2か月で売買契約を締結
- 手付金は物件価格の10%にあたる350万円
契約から1か月後、買主の方が住宅ローンの本審査に落ちてしまったと連絡が入りました。
契約書には「ローン特約」が付いており、買主が金融機関のローン審査に通らなかった場合、売主は手付金を返還して契約を白紙に戻すという条項が記載されていました。



既に住み替え先のマンションも契約済みで、引越しのスケジュールも決まっているのに!?



ローン特約による解除ですから、田中さんに違約金の負担はありません。
受け取った手付金をそのまま買主さんにお返しする形になります。



でも、住み替え先はどうすれば…
もう一度買主を探す時間なんて…
その後、田中さんは、住み替え先の売主と相談し、引渡し日を1か月延長してもらう交渉を行いました。
次に、元の不動産会社に売却活動の再開を依頼し、同時並行で「買取」という選択肢も検討されました。
最終的には、仲介で買主を探しつつ、期限までに見つからなければ買取会社に依頼するという二段構えで進めました。
幸い、期限ぎりぎりで新しい買主が見つかり、3,450万円で無事に売却できました。



ローン特約があって本当によかったです。
これがなければ、手付金を返すだけでなく、場合によっては違約金を払う立場になっていたかもしれません。



買取という選択肢を同時並行で検討したのもポイントですね!
買取であれば、相談から最短2週間で現金化できることもあります。
この事例からの学びは、売買契約に「ローン特約」「買い替え特約」などの特約が付いていれば、売主・買主の双方にとってセーフティネットになるということです。
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契約書にサインする前に、どんな特約が付いているか必ず確認しよう!
不動産売却キャンセルでよくある疑問にお答えします
結論として、ここでは相談現場で実際によくいただく5つの疑問について、それぞれ具体的な回答をお伝えします。
ご自身の状況に近いものがあれば、ぜひ参考にしてください。
まとめと今日からできる5分アクション


この記事のポイントを3つにまとめます。
- 査定後なら無料、媒介契約後は実費精算、売買契約後は手付解除または違約金の支払いが必要
- ローン特約、買い替え特約、手付解除期日、違約金条項の4点は必ず目を通そう
- 宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー、司法書士、税理士など、複数の専門家の意見を聞いて判断しよう



まずはお手元にある不動産の関連書類(査定書、媒介契約書、売買契約書のいずれか)で、「自分はいまどの段階にいるのか」を確認してみてください。
不動産売却は、人生で何度も経験するものではありません。
だからこそ、迷うのは当然のことです。
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不安を整理するための一歩として、気軽に問い合わせてみてね!






