生命保険を活用した生前贈与の方法と5つのメリット!今、始めるべき理由も

こんにちは。保険相談ラボ編集部です。

平成27年に相続税の基礎控除額の改正が行われ、生前贈与に興味を持つ方が急増しました。
それまで「うちはたいしたお金はないから、生前贈与なんて関係ない」なんて思っていたご家庭でも、基礎控除が少なくなったことで相続税の対象になる方が増えたためです。

しかし、税金に関する知識に苦手意識があり、生前贈与に興味があっても何も対策をしていない方も多いかもしれません。
そこで、今回は生命保険を活用し生前贈与を有効的にすすめられる方法をご紹介していきます。

生前贈与は、検討を始めた「今」始めることがおすすめです。その理由についても、記事内で解説しています。

相続対策には生命保険をフル活用しよう!3つのメリットと5つの活用法を解説【FP監修】で、生命保険を活用した相続対策についてもまとめていますので、こちらの記事も参考にしてください。

相続対策には生命保険をフル活用しよう!3つのメリットと5つの活用法を解説【FP監修】

生前贈与とは

そもそも「生前贈与」とはどのようなことなのでしょう?「生前贈与という言葉を聞いたことはあるけれど、イマイチ意味がわからない・・・」という方も多いですよね。

「贈与」という言葉には、人と人の間で無償で財産を譲り渡す意味があります。
それを生前に行うのが、生前贈与です。

つまり、財産の受け渡しを生きているうちに行うことが生前贈与なのです。

生前贈与を行うことであげる側の財産が少なくなり、亡くなった時の相続税を減らす効果が期待できます

生命保険を活用した生前贈与の方法

生前贈与は、個人間で無償で財産を譲り渡すだけで成立します。「それなら、生命保険に加入しなくても、ただお金を移動されればいいんじゃない?」と思う方も多いでしょう。

しかし、生命保険を活用することで、ただお金を移動するより、有効的な生前贈与を行うことができるのです。

生前贈与の受け取り方の種類

まずは、財産の受け取り方にどのような方法があるのか確認してみましょう。生前贈与の受け取り方には主に2つの方法があります。

  1. 暦年課税
  2. 相続時精算課税

暦年課税は、もらう側の1年間に贈与された金額が110万円を超えた場合、超えた金額に贈与税がかかる制度です。一般的な贈与税は、この暦年課税が使われます。

相続時精算課税は、60歳以上の直系尊属から20歳以上の子や孫へ贈与する場合に、2,500万円までが非課税になる制度です。一見、暦年課税より相続時精算課税の方がお得に思えますが、財産の持ち主が亡くなった場合、贈与した財産は相続財産に含まれて相続税がかかってしまうのです。

つまり、もらった時に税金はかからないけれど、その分の税金が相続時に発生してしまうことになります。

そのため、相続時精算課税は節税という意味ではあまり効果を発揮しません。この記事では一般的な暦年課税での生前贈与方法をご紹介していきます。

生命保険を活用した生前贈与の方法

では、具体的な生前贈与の方法を見ていきましょう。今回は、父親から子供へ生命保険を活用し、暦年贈与をする例をご紹介します。

契約者=子供・被保険者=父親・受取人=子供のケース

契約者:子供
被保険者:父親
受取人:子供
保険金:2,000万円
保険料総額:1,950万円
年間保険料:97.5万円
保険料負担者:子供
※保険料相当を父親から子供へ毎年贈与する

上記のパターンで契約した場合、以下の節税効果が期待できます。

  1. 父親から子供へ資金を贈与することで、父親の財産を減らすことができる。=子供の相続税の節税
  2. 父親から子供へ贈与する金額を、年間110万円以内に抑えることで、子供に贈与税が課税されない
  3. 子供が受け取る保険金にかかる税金は「所得税」であるため、相続税より税金が少ない場合が多い

まず1つ目の「父親の財産を減らすことができる」件についてですが、ポイントは「父親の銀行口座から子供の銀行口座に保険料相当額を振り込み、子供の銀行口座から保険料を引き落としする」ことです。その結果、父親から子供へ贈与され、子供が保険料を負担したお金の流れがはっきりと解りますよね。

このお金の流れがはっきりとわかることは、生前贈与において非常に重要なポイントです。下記をご覧ください。

参考:国税庁が発表している平成29年事務年度の相続税の調査結果
調査実施件数:12,576件
申告漏れなどの非違件数:10,521件
非違割合:83.7%
※非違とは違法のこと

この調査結果から、非違割合がかなり高いことがわかります。ただし、この割合に該当する方の中には、正しい方法で相続を行ったつもりでも、非違と判断されてしまった方も大勢います。それだけ、正しい相続とは難しいポイントがあるということですね。

しっかり対策したつもりでも違法にされてしまうことがあるのね・・・
安心してください!そうならないように私たちがいます。

ちなみに正しい相続対策ができている方に話を聞くと、「自分で調べるだけでは不安だったので、専門家に相談をした」という意見が多くあがりました。

2つ目は、年間贈与額を110万円以内にすることで、贈与税を支払うことなく計画的に財産の移動ができます。父親から子供へ、年間97.5万円を20年間渡すことで合計1,950万円の財産を非課税で贈与することができるのです。

3つ目は、保険金受取時の税金を減らす対策です。生命保険の保険金を受け取る際には税金がかかる場合がありますが、これは下記のように、契約者と受取人の関係により税金の種類が変わる仕組みになっているためです。

契約者と受取人の関係による税金の種類
契約者と受取人が同一人物の場合→所得税(一時所得)
契約者と受取人が別人の場合→相続税

一時所得の課税対象額は「(保険金-払込済保険料総額)-50万円×2分の1」で算出されます。
このケースに当てはめると「(2,000万円-1,950万円)-50万円×2分の1=0」つまり、所得税は課税されません。
一般的には相続税の方が高いことが多いので、契約者と受取人を同一人物にすることで節税効果は高くなります。

また、「契約者が子供」という部分を固定すれば、「被保険者=子供・受取人=子供の配偶者」など上記のケース以外のパターンにしても暦年贈与は可能です。

では、契約形態が下記の状態ではどうなるのでしょうか?

契約者=父親・被保険者=父親・受取人=子供のケース

契約者:父親
契約者:父親
被保険者:父親
受取人:子供

父親が契約者となり、子供に保険金を残すパターンです。このパターンで契約している方も多いのではないでしょうか?一見、問題なさそうに思えますが、先ほどのパターンとは大きな違いがでてきます。

うちもこのパターンで生命保険に加入してるけど・・・問題あるの?
先ほどのパターンとの違いをご案内しますね。

まず1つ目の「父親の財産を減らすことができる」件と、2つ目の年間110万円までの贈与の件は、両方とも実現することができません。なぜなら、このパターンだと、父親から子供へのお金の流れがないからです。

3つ目の保険金受取時にかかる税金の件ですが、このパターンの場合は、相続税の対象になります。相続税の対象額を確認するには、まず保険金の非課税枠を確認する必要があり、保険金の非課税枠は、「500万円×法定相続人の数」で計算された金額で算出されます。

法定相続人とは
法定相続人とは、民法で定めされた相続人のこと
  • 大前提として、配偶者は常に法定相続人
  • 第1順位:亡くなった方に子供がいる場合→配偶者と子供(子供が亡くなり孫がいる場合は孫が該当)
  • 第2順位:亡くなった方に親や祖父母がいる場合→配偶者と親や祖父母
  • 第3順位:亡くなった方に兄弟姉妹がいる場合→配偶者と兄弟姉妹(兄弟姉妹が亡くなっている場合は、甥や姪が該当)

※第1順位がいる場合は第2順位以降に権利はない
※配偶者がいない場合は配偶者以外の該当者のみ

このケースで法定相続人が3人(配偶者と子供2人)の場合、「500万円×3=1500万円」が非課税となり、残りの500万円が相続財産に含まれることになります。先ほどのパターンでは保険金受取時に税金はかかりませんでしたが、契約の形を変えるだけで、税金の対象になることもあるのです。

このように、少し契約形態を工夫するだけでも節税効果を高めることができるので、加入する際は専門家などに相談しつつ決めることをおすすめします。

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有効的な生前贈与を行うポイント

生前贈与を始めるからには、節税効果の高い方法を選びたいですよね。そこで、有効的な生前贈与を行うための3つのポイントをご紹介していきます。

  1. 長期間、生前贈与を行う
  2. 多くの人へ贈与する
  3. 贈与税の負担を考慮しつつ、1年間でできるだけ多い金額を贈与する

上記3点に共通して言える目的は”できるだけ贈与する人の財産を減らす”ということです。贈与税がかからない範囲内で多くの金額を贈与するには、ある程度の年数が必要になるため、長期間かけて生前贈与を行う必要がでてきます

また、贈与税が非課税になるのは、財産をもらう側が1年間に受け取った金額が110万円までです。財産をあげる側は1人で何人に贈与しても問題ないため、贈与する側はできるだけ多くの人に財産をあげることがポイントになってきます。

さらに、できるだけ短期間で多くの財産を贈与したい場合は、贈与税を支払ってでも一度に多くの金額を贈与することも1つの方法です。贈与税を支払いながら、多くの金額を贈与するパターンとしては、「310万円」「510万円」「710万円」を贈与することが比較的多いようです。

その場合は、財産に対する贈与税と相続税のバランスを考慮することが重要になるので、シミュレーションなどをして、計画的な贈与を行いましょう。

生前贈与に適している生命保険はこのタイプ

生命保険と一言でいっても、たくさんの種類の保険があります。その中でどのような生命保険が生前贈与に適しているのか・・・普段から保険にかかわっている人じゃない限り、選ぶのは難しいですよね。

保険っていろいろな会社からたくさんの種類がでているから、どれがいいのかよくわからないのよね。
みなさん、そうおっしゃいます。

選ぶ際の大きなポイントは「必ず受け取れる死亡保障がある」ことです。必ず受け取れるという条件を考えると、保障が一生涯続かない定期保険や養老保険は適していません。つまり、終身の死亡保障がある生命保険が生前贈与に向いています。

贈与を確実に成功させるためにおすすめの保険

平成27年の相続税の基礎控除の改正により、生前贈与を検討する人が年々増加しています。その需要に合わせ、今は「生前贈与機能付き生命保険」も人気がでてきました。

生前贈与機能付き生命保険とは、被保険者が生存している間は定期的に生存給付金が受け取れるタイプの生命保険です。

例えば、下記のパターンで、生前贈与機能付き生命保険に加入したとしましょう。

契約形態
契約者:父親
被保険者:父親
受取人:子供

保険金は1,500万円、父親が一時払いで保険料を支払います。すると、父親が生存している間は毎年100万円の生存給付金が受取人である子供へ支払われるのです。これは父親から子供への贈与になり、お金の流れも明確なため、他に証拠を残す手間もなくなります。

そして、もし生存給付金を受け取ってから10年目に父親が亡くなった場合、残りの500万円は保険金として子供へ支払われます。この場合、保険金の非課税枠に該当するので、相続税を支払う必要はありません。

このように生前贈与機能付き生命保険を活用することで、贈与契約書や銀行振り込みなどの証拠を残す必要なく、生前贈与を行うことが可能になります。

生命保険を活用し生前贈与を行うメリット・デメリット

「ただ、お金を贈与するだけでも生前贈与になるのならば、わざわざ生命保険に加入しなくてもいいのでは?」そう思う方もいるかもしれません。しかし、生命保険を活用することで他にはないメリットがあるのです。ここでは、生命保険を活用することならではのメリット・デメリットをご紹介していきます。

生命保険を活用し生前贈与を行うメリット

まずはメリットから確認していきましょう。

節税対策になる

メリット1つ目は、節税ができることです。これは、ここまでご紹介してきた中でご理解いただけると思います。

  • 贈与する人の財産を減らすことで相続税の節税
  • 年間110万円までの贈与にすることで贈与税の節税
  • 保険の契約者と受取人の関係を工夫することで所得税や相続税の節税

具体的には上記の節税効果が期待できます。また、現金で持っていればそのまま相続財産になってしまいますが、現預金を生命保険に振り替えるだけで、受け取れる保険金が一部、非課税になる効果も期待できます。

相続税の資金を準備できる

メリット2つ目は、相続税の資金を準備できることです。相続税は、相続が発生した日から10か月以内に相続人が現金で支払わなければいけないというルールがあります。

相続財産に現金や預貯金が少なく不動産が多い場合には、不動産を売って現金化する必要がでてくるでしょう。その場合、すぐに売れれば問題ないですが、なかなか売れない場合は、期限内に現金化することが困難になってしまいます。

しかし、生命保険の保険金は現金で受け取れるため、相続税の納税資金に充てることができるのです。保険金請求の手続きをしてから1週間前後で受け取れることが多いため、すぐに現金を受け取れることがメリットです。

うちの親の財産は不動産が多いから心配だな。
不動産を現金化するには多少時間が必要になるので、あらかじめ生命保険で現金を受け取れる準備をしておくと安心ですよ。

渡したい人や用途に確実にお金を渡せる

メリット3つ目は、渡したい人に確実にお金を渡せることです。実際に生前贈与を検討している人から話を聞くと、今すぐに現金で贈与すると子供がいつの間にか使ってしまうのではないか・・・と心配する父親が多くいます。しかし、お金の管理は子供がしなくてはならず、贈与した父親が通帳を管理していた場合には名義預金となり、贈与が成立しません。

その点、生命保険なら必要な金額を必要な用途にだけ使うことが可能です。贈与する人が亡くなった場合の保険金も、受取人は指定されているため確実に渡したい人に渡すことが可能なのです。これは、大きな安心材料になり、相続人が複数いる場合のトラブル回避にも有効的でしょう。

受取金が増える可能性が高い

メリット4つ目は、受取金が増える可能性が高いことです。生命保険は、解約などを除けば、支払った保険料より多くの金額を受け取れる場合が多いです。そのため、現金をそのまま渡すより多くの金額を相続人に残すことができます。

相続放棄しても保険金は受け取れる

メリット5つ目は、相続放棄しても保険金は受け取れることです。負の相続財産…つまり借入金などが多い場合、相続人は相続を放棄することができます。

相続を放棄すると、通常はプラスになる財産も受け取ることができません。しかし、生命保険金は民法上、受取人固有の財産とされているため、相続放棄をした場合でも、生命保険金を受け取ることが可能なのです。

生命保険を活用し生前贈与を行うデメリット

生命保険を活用し生前贈与を行うことで、たくさんのメリットがあることがわかりました。反対にデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか?

保険料を払えなくなる可能性がある

生前贈与を行うための保険契約は長期的に行われるケースがほとんどです。贈与する人である被保険者の突発的な出来事により贈与が難しくなった場合でも、保険契約は解約しない限り保険料を支払わなければなりません。

保険料を支払えなくなる、よくあるケースが、「相続する側が認知症や介護状態になり贈与ができなくなってしまった」「親子でもめて相続自体をやめることになった」などです。これは、意外と身近に起こる出来事ではないでしょうか?

そういった不測の事態に備える対応策を検討しておくことが重要になります。

途中解約による元本割れリスクがある

贈与が行われなくなった場合に、解約を検討することもあるでしょう。その場合、元本割れを起こす可能性があります。

元本割れとは
受取金額が支払った保険料より少ないことを意味します

解約返戻金の金額は、加入期間や被保険者の年齢によっても変わってきます。加入前には解約返戻金の推移が確認できることが多いので、解約返戻金が払い込み保険料を上回る年齢を大まかに把握しておくことが重要です。

生命保険を活用し生前贈与を行うときの注意ポイント

生命保険を活用し生前贈与を行うときには、いくつかの注意点が存在します。後から「知らなかった・・・」と後悔することのないよう、しっかり把握しましょう。

贈与契約書は毎年作ること

ポイント1つ目は、毎年、贈与契約書を作ることです。贈与契約書とは、贈与をしたことが証明できる書類のことで、贈与をした証拠にもなります。贈与契約書には所定の書式はありませんが、下記のサンプルを参考にし、以下の内容は必ず記載するようにしましょう。

贈与契約書サンプル

  • 贈与が行われた日
  • 贈与した人と贈与された人の名前・住所・押印
  • 贈与金額

注意したいポイントは、毎年、作ることです。「100万円を10年間に分けて合計1,000万円贈与する」などとトータルの計画を記載してしまうと、定期贈与とみなされる可能性があります。

定期贈与とは
毎年、100万円の贈与があったのではなく「1,000万円を贈与する約束を始めからしている」とみなされ、贈与税がかかってしまう贈与のこと

また、面倒だからといって贈与を始めた年に10年分(10枚)作ることも定期贈与とみなされる可能性が高いので注意が必要です。面倒なのはわかりますが、「1年に1回作るだけ」と割り切って毎年作成することを心がけましょう。

贈与した証拠を残すこと

ポイント2つ目は、証拠を残すことです。特に現金を贈与する場合、お金の動きがわかるよう銀行振り込みを利用しましょう。

贈与した人は生命保険料控除を受けないこと

ポイント3つ目は、贈与した人は生命保険料控除を使わないことです。生命保険に加入すると、所得税や住民税の節税になる「生命保険料控除」が利用できます。暦年贈与の場合、実際にお金を支払っているのは贈与した人ですが、贈与した人が生命保険料控除を使うことはおすすめしません。

なぜなら、生命保険料控除を利用できるのは、保険料を支払っている人と判断されるからです。つまり、贈与された人が生命保険料控除を使うのは問題ありませんが、贈与した人が生命保険料控除を受けてしまうと、実際に保険料を支払っているのは贈与した人とみなされてしまうからです。その結果、贈与は行われていないと判断されてしまいます。

贈与された人が自分でお金の管理をすること

ポイント4つ目は、お金の管理は贈与された人が行うことです。例えば、父親から子供へ贈与をしている場合、子供が自分で通帳やお金の管理をしなければなりません。

なぜなら、父親が子供名義の通帳を管理していると、お金を流しているだけの「名義預金」とみなされる可能性があるからです。大事なのは、お金を渡す側と受け取る側が贈与をしていることをしっかり理解することです。

実際にこんなエピソードもありました。

ある日、税務署から贈与を受けている子供宛てに電話があり、「毎年、父親から贈与を受けているか?」と質問されました。当時、子供は“父親から財産を減らすために非課税枠の中で贈与を受けている”ことをちゃんと理解していませんでした。そのため、贈与を受けていると答えると贈与税がかかると思い込んでしまい「受け取っていない」と答えた結果、税務署に贈与は行われていないと判断されてしまいました。

この事例は、計画的に生前贈与を行っていたにも関わらず、当事者が贈与のことをしっかり把握していなかったために起きたことです。

親だけでなく、子供にも正しい方法で贈与していることを理解してもらわないとダメなんだね。
そうなんです。相続に関する税務署の調査は意外と入ることが多いので、双方がしっかり理解していないといけません。

名義預金は定期的に税務調査の対象となるので、しっかり対策を行いましょう。対策方法がわからないときは専門家に相談することをおすすめします。

生前贈与はできるだけ早く始める

ポイント5つ目は、生前贈与は早めに始めることです。特に、年間110万円までの暦年贈与をしたい場合は、早めに始めないとあまり効果がありません。理由は2つあり、1つ目は非課税枠で贈与できる金額は110万円までなので、多額の現金を贈与したい場合は年数がかかるためです。

例えば、1,000万円を贈与する場合は9年以上の期間がかかってしまうのです。その間に贈与する人が亡くなり贈与が発生した場合、少額しかお金の移動ができず、その結果、相続財産を減らすことができません。

相続の発生が近い可能性がある場合は、110万円の非課税枠を超えてでも贈与額を増やすことも検討しましょう。贈与税を支払っても生前贈与を行った方が相続税の節税になるケースもたくさんあります。

2つ目は、相続が発生した日から3年以内の贈与は「みなし贈与」とみなされ、相続財産に含まれてしまうためです。例えば、毎年100万円を父親から子供へ贈与し、5年後に父親が亡くなって相続が発生した場合、贈与された金額は500万円になります。

ただし、500万円のうち3年以内に贈与された300万円は、亡くなった父親の財産になってしまうのです。せっかく生前贈与をしていたのに、財産に戻されてしまうなんて残念ですよね。

せっかく贈与したのに戻されて計算されちゃうのね。
残念ながらそうなんです。だから「どれだけ早い時期から生前贈与を始めるか」がポイントになるんですよ。

この2つの理由から、生前贈与はできるだけ早めに始めることを強くおすすめします。

贈与税の仕組み

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贈与する人が亡くなった場合の相続税を減らすために行う生前贈与ですが、贈与する金額によっては、贈与税がかかる場合もあります。ここでは、贈与税の仕組みについて把握していきましょう。

贈与税の計算方法

贈与税は下記の計算式で算出します。

(年間贈与額-基礎控除110万円)×贈与税率-控除額

贈与税は基礎控除額が110万円あることが特徴です。つまり、年間贈与額が110万円を超えない場合は贈与税の対象にはなりません。まずは、第1ステップとして贈与税の対象になるかならないかを確認しましょう。

課税対象になる場合は第2ステップで贈与税率と控除額の確認を行います。

贈与税の税率と控除額

贈与には以下の2つの区分があります。税率を確認するために、自分がもらった財産がどちらの区分になるのかを確認する必要があります。

  1. 特例贈与財産用:直系尊属から20歳以上の人への贈与(該当する年の1月1日の年齢)
  2. 一般贈与財産用:特例贈与財産以外の贈与
直系尊属とは
自分より上の世代で直通する親族のこと
例えば、両親や祖父母など、配偶者の両親や叔父・叔母などは親族ではありますが、直系尊属ではありません

どちらの贈与に該当するかわかったら、下記の表で税率と控除額の確認をします。

■特例贈与財産用

基礎控除後の金額税率控除額
200万円以下10%-
400万円以下15%10万円
600万円以下20%30万円
1,000万円以下30%90万円
1,500万円以下40%190万円
3,000万円以下45%265万円
4,500万円以下50%415万円
4,500万円超55%640万円

■一般贈与財産用

基礎控除後の金額税率控除額
200万円以下10%-
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円
600万円以下30%65万円
1,000万円以下40%125万円
1,500万円以下45%175万円
3,000万円以下50%250万円
3,000万円超55%400万円

税率と控除額がわかったら、「(年間贈与額-基礎控除110万円)×税率-控除額」で計算し、答えが贈与税になります。

一般的には、贈与税と相続税を比較すると、相続税の方が高い傾向があります。もし生前贈与で贈与税がかかっても相続税よりは支払う税金が少なくすむことが多いので、最終的に、節税につながることが多くなるのです。

教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度

最後に「教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度」についても確認しておきましょう。教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度とは、直系尊属から30歳未満の子や孫へ教育資金として贈与をした場合、1,500万円までが非課税になる制度です。この制度は2021年3月31日までの制度になります。

贈与する側の財産を一気に減らすことができる上に、贈与税もかからないので、おすすめの節税対策ですね。ただし、贈与された金額は教育資金のために充てることに限定されることや、利用するために領収書などが毎回必要など、一定のルールがあります。

教育資金に含まれるもの
入学金・授業料・遠足や修学旅行などのイベント費・給食費など学校に関わる費用
習い事や学校への交通費など(1500万円のうち500万円まで)

教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度は利用する際に一定のルールがあるので、詳細を下記のホームページで確認してから利用を検討してください。

今、始めるべき!生命保険を活用した生前贈与の方法と5つのメリット まとめ

今回は、生命保険を活用し生前贈与を行う方法や詳細についてご紹介してきました。覚えておきたいポイントを、おさらいしておきましょう。

  • 生前贈与とは、財産の受け渡しを生きているうちに行うこと
  • 生命保険の契約形態を「契約者と受取人を贈与される人・被保険者を贈与する人」にした年間保険料110万円以下の生命保険を活用することで、有効的な生前贈与ができる
  • 生前贈与は、長期間、多くの人へ贈与することがポイント
  • 生命保険を活用し生前贈与を行うことで、節税対策になることはもちろん、納税資金の準備ができる、渡したい人へ確実にお金を渡せる、などのメリットがある

ここまで読んでいただいた通り、生命保険を活用した生前贈与は、計画的に正しく行うことが重要になります。そのために自分で情報を得ることは重要ですが、税金や保険の話はわかりづらいことも多いですよね。

そんなときにおすすめの相談相手は、ファイナンシャルプランナーです。ファイナンシャルプランナーは、お金のプロです。
わからないことを知るために、自分で情報を仕入れるのとプロから話を聞くのでは、どちらの方が理解が深まるでしょうか?多くの方がプロから話を聞くことで、すんなり話の内容が頭に入ってくると思います。

ファイナンシャルプランナーなら、生前贈与をどのくらいの金額で行うべきか、生命保険を使って、相続税をどのように節税するかなど具体的なご案内をすることが可能です。生前贈与は早い段階から始めることが重要です。生前贈与を検討しているこの機会に、一度、ファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか?

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