建設業を守る上乗せ労災保険を解説!使用者責任で多額の賠償請求も!?

こんにちは。保険相談ラボです。

働き方改革で、時間外労働の上限規制がほとんどの業種で始まっています。

すでに、大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から上限規制が適用されています。

ただし、建設業、医師、自動車運送業など一部の業種は、2024年4月まで上限規制が猶予されています。

猶予されている背景には、建設業は長時間労働が常態化していて、労働時間が減少傾向にある他の業種と同時に規制できなかったという事情があります。

特に建設業は、人手不足により長時間労働にならざるを得ない状況です。

今回は、建設業における労災リスクとそれに関連する企業のリスクを見ていきましょう。

建設業を守る上乗せ労災保険を解説!使用者責任で多額の賠償請求も!?

国土交通省が作成した資料によると、年間総実労働時間が2016年度調査産業の平均は1720時間であるのに対し、建設業は2056時間もあり、その差は336時間です。

また、4週8休制(週休2日相当)ができているのは、建設業では7.7%

4週4休(週休1日)以下が全体の5割を締めています。

建設業にとって、長時間労働を改善するのが難しいので、時間外労働の上限規制が猶予されているわけです。

労働時間が長いということは、当然肉体的に疲れますし、休日が少ないので、その疲れが取れません。

疲れた状態で仕事をするわけですから、パフォーマンスが落ちて、ミスが発生します。

そのミスが大きいと・・・、

重大事故につながります。

2019年の労働災害発生状況を見ると、死亡災害は建設業が一番多く269人。

休業4日以上の死傷災害数も建設業は2番めで15,183人。

建設業は、労働災害が多い業種といわれています。

しかし、長期的に見ると、死亡者数、休業4日以上の死傷者数ともに減少傾向にあります。

ただし、近年、休業4日以上の死傷者数は増加傾向にあるので、労災が減ったと喜んでばかりいられない状況でもあります。

また、その労災の原因が、会社にあったのではないかと、訴えられるケースも多くなってきています。

労災は会社の責任!?

重大な労災事故が起きると、従業員本人も不幸ですし、その家族も悲しみに暮れてしまいます。

もちろん、会社も大切な仲間を失うことになれば、とてもつらいことです。

従業員の家族も、会社も同じようにつらく悲しい思いをすることになります。

しかし、大切な家族の命を仕事中に奪われてしまったという行き場のない悲しみをどこにぶつけたらいいのか?

あの仕事をしていなかったら・・・、あの会社じゃなかったら・・・。

会社にその責任があったのではないか、という思いに至ることは容易に想像できます。

高額賠償の例
あいおいニッセイ同和の業務災害補償保険のパンフレットより

  • 建設業の作業中、2階から転落し、脊髄損傷等の後遺障害が残り、安全配慮義務違反で訴訟。
    賠償金 8,300万円
  • 外食店に勤務していた従業員が就寝中に心室細動を発症。脳性麻痺などの後遺障害が残った。過重な業務と長時間労働は、安全配慮義務違反だとして訴訟。
    賠償金 1億9,500万円

このように、近年、労働災害は雇用主である会社に責任が問われるケースが増えていて、その賠償額も高額化しています。

会社の責任が問われる背景

弱い立場だった従業員を守るために、法律によって会社は従業員を守る義務を負うようになりました。

近年の労働関係法令
  • 平成18年4月 労働審判法(成立):労働審判制度を新設
  • 平成20年3月 労働契約法(成立):事業者の「安全配慮義務違反」の明文化
  • 平成25年4月 労働契約法(改正):有期・無期労働者間の不合理な労働条件相違を禁止
  • 平成27年12月 労働安全衛生法(改正):ストレスチェック義務化(50人以上の事業所)
  • 平成31年4月 労働基準法など(改正):罰則付き時間外労働の上限規制など

労働関係法令の改正、新設により、従業員は守られるようになりましたが、逆を返せば、会社のリスクは高まったわけです。

使用者(会社、雇用主)の責任が重くなりました。

特に「安全配慮義務」とは、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。」としています。

この安全配慮義務違反で訴えられた場合、債務不履行責任を問われてしまいます。

労働災害が発生し、もし、会社が訴えられてしまった場合、「ウチの会社は何も悪いことをしていない」と思うかもしれませんが、法律では

悪いことをした
ではなく、
正しいことをしなかった
ということが問題になります。

つまり、会社が正しいことを証明する必要があります。

一般の裁判では、不法行為責任を問うことが多く、被害者が、加害者の悪かったことを証明し、訴えます。

ところが、債務不履行は逆で、被害者(従業員側)が加害者(会社)を訴えますが、加害者(会社)が正しかったことを証明しなければなりません。

この「正しかったことを証明する」のが、一般的な会社では難しいんです。

例えば、高所作業で必要な安全帯(墜落制止用器具)を使用せずに落下事故が発生した場合、朝礼等で毎日指導していれば問題ありませんが、従業員任せで指導していなかった場合、裁判で負けてしまうケースがあります。

会社として安全に配慮していなかったと見なされてしまう場合があるんです。

また、きちんと指導していても、その証明が出来なければ、やっていないとみなされることも・・・。

つまり、安全配慮義務にあたることを全てきちんと正しく行い、証拠を残しておかないと、何か起きて裁判になってしまうと、証拠が提示できず負けてしまうことが多いんです。

多くの企業が全てを完璧に行うことは不可能です。

不具合やトラブルが発生したときに、対処し改善していくのが常で、気づけなかったことや後回しにしていたことが原因で、重大事故が発生してしまうことはあり得ます。

もちろん、従業員やそのご家族からしてみれば、「そこをちゃんとしてくれれば防げたのに!」という思いはあるかもしれませんが、会社としても「まさか!そんな事が起きるとは!」と思うこともあるでしょう。

会社の責任を問われてしまうと、有効な証拠が提示できず、会社が負けてしまいます。

賠償金も高額化しているため、1億円に近いような金額になってしまうケースもあり、会社の資産から支払うのは多くの中小企業では難しいでしょう。

使用者責任を問われた場合の対策は?

従業員やその家族から訴えられてしまった場合、賠償金は一括で支払う必要があります。

仮に億単位の賠償金の場合には、会社の現預金では対応ができなかったり、賠償金に対しては銀行から融資を受けることができないことがほとんどです。

このような場合には、保険が合理的な選択肢となります。

多くの保険会社では、「労災上乗せ保険」や「業務災害保険」という名称で、会社が加入する従業員の傷害保険にオプションで追加する「使用者賠償責任補償」という特約があります。

この「使用者賠償責任補償」が安全配慮義務違反等で、従業員やその家族から、雇用主である会社が訴えられた場合に対応してくれる保険です。

高額な賠償事故にも対応できるように、保険金額(支払い上限額)を1億円や3億円などに設定することも出来ます。

労災は、事故だけでなくメンタルヘルスによる労災認定も年々増加傾向にあり、メンタルヘルスによる労災に対応した保険もあります。

商工会議所や商工会などに加入していると、最大56%の割引が適用できる団体制度もあるので、労災上乗せ保険を検討しているなら、団体制度を上手に活用しましょう。

「業種」と「売上高」で、簡単に保険料(掛金)の計算ができるので、気になる方は、今すぐお問い合わせください。

不当解雇やパワハラ、セクハラで訴えられるケースも

使用者の賠償責任という、安全配慮義務違反による会社の責任をお伝えしてきましたが、最近は、「不当解雇」「パワハラ・セクハラ」で訴えられるケースも増えてきました。

上記の「業務災害保険」にオプションで追加することが可能です。

「不当解雇」「パワハラ・セクハラ」については、別の記事で解説します。

使用者賠償に対応した上乗せ労災保険 まとめ

今回は、安全配慮義務違反で会社が訴えられてしまった場合に対応した使用者賠償責任補償について解説しました。

  • 労災上乗せ保険と言われる業務災害保険につけるオプション
  • 安全配慮義務違反は債務不履行で訴えられるので、会社(雇用主)は負けやすい
  • 会社を守るための使用者賠償責任補償
  • 団体制度で大幅な割引が適用できる
  • 最近増えている不当解雇やパワハラに対応したオプションも付けられる

現場に入るには、労災上乗せ保険が必要なことが多いですが、形だけ加入するのではなく、しっかりと会社を守るための「使用者賠償責任補償」を検討しましょう。

建設業には、強制加入の労災保険と合わせて、使用者賠償責任補償をセットした業務災害保険が必須といえます。

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